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![]() 「アンキャニーな日本のあかり」です。 東恩納裕一 「シャンデリア」 2005年10月22日(土)-11月26日(土) 東京都新宿区西五軒町3-7-4F 山本現代 ------------------------------------------------------ で、みてきました。03年の暮れに「ZONE:不穏な時代の透視者たち」で見たときは、ちょうどイラク攻撃に反対する「殺すなCOBRA」や渋谷のサウンドデモをやってた頃で、文字どおり、その時期は、巷に不穏な空気が見えないものとしてあったわけですが、その展覧会の中で、その不穏な空気に一番敏感に反応していたのが、東恩納(裕一)さんの作品で、作品に一貫して流れている「アンキャニーなもの・不気味なもの」が、それまでにはなかったほど、かなりあからさまなかたちで、日常に対し牙をむいてるのがみえて、背筋が凍った覚えがあります。あのときのシャンデリアは、本当にお・そ・ろ・し・か・っ・た・です。特に向かい側のオップ・ストライプの鏡面に写りこんだその像は、見てはいけないものを見てしまった、みたいな感じがして、凍える気持ちで美術館をあとにした記憶があります。そのときに書きとめたメモをどこかをしまってるはずなのでですが、どうしても見つからないので、もし見つかったら、またその時に書きますが、「不気味なもの」のなかに潜在する、現前する世界に対する、世界のふちからの「しっぺがえし」の政治性が、ファンシーな表情の背後から、その冷たく冷えた残酷な素顔をみせたようで、本当にあれはこわかったです。特にこれまでそうした部分を、つとめてコントロールしてきた作家が不意に見せたものだっただけに、余計にアンコントローラブルな感じがして、こわかったです。それにくらべると、今回の展示では、そうした突き刺すような攻撃性はなりをひそめ、ナショナルのパナホームならぬ、家庭に棲み憑くパラホーム(para home)な美術にもどってました・・・と、ホッとしたのもつかの間、ギャラリーのいちばん奥には、これまでの作品の「ネガ」ともいえるような作品があって、またゾッとさせられました。もともと蛍光管は、僕らの生活の場のまんなかにある最も家庭的な電化製品で、僕らの頭の上や背中の上あたりから僕らの日々の営みをあかるく照らしだす、ごくごくありふれたもの(コモンズ)ですが、たとえば、それには、3波長形昼白色、ワットブライター20形、リングライト13ワット、ネオライン・パルック色、フルホワイト、サンライトといった名前があるのに、決してそういう名前で呼ばれることもなければ、またそういう名前があることすら知られることなく、いつもそこに在りながらもその存在を忘却されているもの、場合によってはムードをこわす白けたものとして消されるものですが、そういう存在の政治的構図をくるりと反転して、それを僕らの目の前に置いてみせ、アットホームなくつろぎや安らぎを奪いとる不穏な怪物に化けさせてみせる、という、そういう反転性が東恩納さんの作品にはあるのですが、今回の新作は、それをさらにもういっぺん反転させたようなもの(トップの写真がそれです)になっていて、それは異様な物体です。 ![]() あと、上の写真のように、作品のまわりにはFL管が出す見えない電磁波のストライプがたってますので、それを浴びてみるのもいいですよ。薬でもあると同時に毒でもあるこの作品のファルマコン性がより体感できると思います。ちなみに東恩納さんとは、00年に東恩納さんがナディッフで展示をやったとき、そのギャラリーのわきでイルコモンズが「日本・現代・美術・沈没」の展示をやってたことがきっかけで、FL管仲間になり、それ以来、展示のたびに情報交換しているのですが、東恩納さんによれば、ミツワ電気より東光電気の方が品揃えがよいらしいので、こんど見に行ってみようと思ってます(「殺すなCOBRA」で競演したオフサイトの伊東(篤弘)さんもオプトロンの素材をそこで調達しているらしいです)。ほかに、この日は、殺すなCOBRA仲間の宇治野さんとひさしぶりに会って家電話(かでんばなし)に華が咲きました。 ---------------------------------------------------- ![]()
by illcommonz
| 2005-10-22 17:34
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