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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼[スコア] 54対0 (2014年3月時点)

▼「止まっていく日本の原発」

 現時点では、54対0の圧倒的なスコアで、わたしたちが勝っている。勝っているときは、勝っているということを、いちいちおおげさに喜びあうことが大切で、グレーバーがいうように、私たちが勝利していることをしっかり認識し、「絶望の回路を破壊し、精神的高揚と新しい社会にむけて持続的な運動をつくりだすために、たがいに築きあげてきた勝利について、いくつかの戦略的なヴィジョンをみつけだすことにある」と思う。

▼[スコア] 54対0 (2014年3月時点)_d0017381_0382479.jpg
▼TDC主催「小熊さんにきいてみる会」(2013年11月12日 高円寺・素人の乱)配布資料

 「いま日本の原発はすべて止まっています」(2013年 東京)

 「脱原発はすでに既成事実である。「原発の止まった社会」は、非現実的な夢どころか、すでに実現している。これから原発依存度を震災前ていど、あるいは、それ以上にする社会を目ざすほうが、よほど夢想的といわねばなるまい。日本の原発産業あh戦略的撤退に入るべき状況であり、推進にまきもどすのは困難であろう。数十年後には、震災を境に日本の原発は消えていったという歴史が書かれるだろうと筆者は考える。大局的にいえば、もはや「勝負あった」というべきだろう。日本の人々自身に自覚がないのに驚くが、3・11以後の変化は著しいものがある。日本は3・11以後にもっとも劇的に原発の稼動を減らし、一時はゼロにした。世界の運動がどこもなしとげたことがない、非暴力直接行動によって官庁街を長期にわたり占拠するということも実現し、与党のエネルギー政策を変えさせた。それでもその自覚がないのは、現代日本の人々に社会運動の経験が少なく、そのぶんだけ期待が大きすぎるからだろう。(...) 「3.11」以後の脱原発運動は、世界でも類例のない形態を実現させた。それは個々の当事者には見えてなかったかもしれない、多様な動きの連動の結果であり、大きな民意の表現だった。人々はいまだ、その奇跡を奇跡として自覚するほど、自らの達成に慣れていない。そのことがはらむ可能性の深さに、彼らはまだ気づいていないのである。」(小熊英二「盲点をさぐりあてた試行」)

 「日本は世界の中ではアクティヴィズム行進国なんだけど、その国で半年以上、毎週あれだけの人たちが集まって、投石もなければ、ガラス窓一枚割れない、パトカーがひっくり返ることもないという、まさに非暴力直接行動の理想型みたいなことが官邸前で展開した。この何十年の世界のアクティヴィズムの基本方針は非暴力なんだけど、非暴力を貫こうとしても、なかなか抑制がきかなくて、窓ガラスが割れたり、街が火の海になったりする。それを考えると、これまで世界中の運動が目指してはいたけど、なかなか実現できなかったことが、このアクティヴィズム後進国の日本で起きていたわけだよ。いってみれば、「周回遅れのトップランナー」みたいな感じだね。」(イルコモンズ「金曜官邸前抗議」)

 「この運動は「戦術」として「非暴力」ということを原則にしています。非暴力の直接行動です。この20年あまり、世界中でさまざまな抗議行動が起こっていますけれど、非暴力でやりたいという気持ちのうえに、いまの社会運動がおこなわれています。そのなかで、もし、いま、「非暴力直接行動のオリンピック」があったら、いま国会前で起きている運動は「金メダル」がとれるくらいの、非暴力を貫いています。夕方の6時に集まって8時に帰るんです。そのことにもっと驚くべきだと思うし、そういったとりあげ方をしていただきたいと思います。それがいま、この運動がなしとげていることのひとつだと思っています。」(イルコモンズ「記者会見」)

 「社会運動のなかでは、活動家が「特別な人」になってはまずい、ふつうの人にわかる訴え方にしなければならないといったことがよく言われます。対立する考え方の人と一緒にやっていくか、排除するか、関係を切って干渉せず、「それぞれやりましょう」にするか、といったこともよく問題になります。そういう悩み方は「活動家」と「ふつうの人」があらかじめ存在しているという考え方にもとづいています。その枠内で考えると、相手に勝つか、妥協するか、排除するか、関係を絶つしかなくなります。しかし、「活動家」も生まれたときから活動家だったわけではなく、「ふつうの人」も永遠不変にふつうの人のままではありません。「ふつうの人にもわかる訴え方を」というのも良し悪しです。大衆は関心も知識もないから、彼らにあわせてレベルを下げようという姿勢で訴えられたりすると、たいていの人は不愉快になります。なにより自分は変わる気がないのに、相手だけ変えようという姿勢が不愉快です、たぶんやっている側も、あまり楽しくないでしょう。それが伝わるから、よけいに全体の気分がもりあがらず、力がみなぎってきません。外部から一方的に説教されても、人が動かないのは、説教する側が変化しないからです。変化しない相手には、人間はおもしろみや愛情を感じません。対話をして人が納得するのは、対話の前とあとで、おたがいが変化し、より高い次元に至ったと思えるときです。そのときもとから「理解されるべき主張」があったとはかぎりません。対話のあとに「自分はこのことを理解してもらいたかったのだ」と構成されたのかもしれません。しかし人は、そうして「納得」するものです。そういう「納得」を広げることを政治学では正統性とよびます。」(小熊英二「社会を変えるには」)

 「こうやれば成功する」ということはなかなか言いにくいですが、「こうすると失敗する」というのは、かなりはっきり傾向があるようです。それは(以下省略)」(小熊英二「社会を変えるには」)

▼[スコア] 54対0 (2014年3月時点)_d0017381_03915.jpg
▼イルコモンズ「文化人類学解放講座/たのしいアクティヴィズム 実践篇」配布資料

 「警官を呼んでくれ、このままだと私たちが勝ってしまいそうだ」(1999年 シアトル)

 「直接行動の運動が直面している最大の問題は、自分たちが勝利した時に何をすればよい分からないことである。おかしなことを云ってると思われるかも知れないが、実のところ私たちの多くは、このところ何かに勝ったと感じてないからである。こうした運動が直面する真の問題は、はじめからいきなり成功してしまったことに驚き、不意をつかれてしまうことにある。そもそも私たちは勝ったときの準備をしてないし、勝利はむしろ私たちを混乱におとしいれ、私たちはお互いに戦いをはじめてしまう始末である。勝利がもたらすものが明確になりはじめる前に、私たちは自分たちをダメな人間のように思いこんでしまって、勝利に気づくことすらできないのだ。これでは政権にいる権力者たちの思うつぼである。私たちがまず行わなければならないは、私たちが実際に、少なからず勝利しているのだと認識することである。実際、最近、私たちは多くを勝ちとってきたのだ。問題はどのようにして、絶望のサイクルを破壊し、精神的高揚と新しい社会にむけて持続的な運動をつくりだすために、たがいに築きあげてきた勝利について、いくつかの戦略的なヴィジョンをみつけだすことにあるのである。」(デヴィッド・グレーバー「勝利のショック」)

 「行動をともなわない政治意識は、荒廃をみつめ、ものごとの中心部ばかり見ようとします。一方、直接行動をする人たちは、その行動自体のなかにオルタナティヴをつくりだし、中心部の腐敗から視線をズラして、その周辺部や自分たちの側にある奔放な可能性の方に目をむけるので、希望を育むことができるのです。一方、エスタブリッシュされた運命論者たちにとって、このような希望についての考え方は、非常に気に障るもののようです。彼らにとってのニュースとは、救いようのない厄介な知らせだけであり、そのメッセンジャーであることを自認し、またそれをいつも繰り返し説教してくれる。「失意」や「よくないニュース」「困難さ」ばかりを説きたがる人は、それによって「男らしさ」や「いかめしさ」「だまされにくさ」「現実を直視する強さ」を体現しようとしますが、現状は決して避けがたいものではないし、すべての道が、下り坂ばかりとは限らないと考える人たちもいます。つまり、希望を持つということは、「女らしい」とか、「子どもっぽい」とか、「甘い」といわれるような、もうひとつのペルソナ(=社会的な人格)をすすんで身につけるということなのです。(レベッカ・ソルニット「暗闇の中の希望」」)

 「この長期の運動では、まず小規模で集まって自分たちのアクション・グループやサポート・サークルをつくり、自分たちのキャラクターやパーソナリティを尊重しなければならない。必要なのは新しい組織のありかただ。コミュニティ、つまり、個人的な支援と行動を中心とするちいさなグループをつくり、人びとが理解してくれる長期的な運動を優先的につくろう。巨大な組織にかかわることはない。グループは小さいときに最も力を発揮する。少人数のグループでないと個人的に知り合えない。グループが大きくなると人びとの顔が見えなくなる。小さなグループは一緒になってネットワークや協力関係をつくり、大きな共同行動もできる。しかし本当の基盤は、個人的に顔見知りでおたがいに価値を認め合う人々のちいさなコミュニティにある。私たちがつくるグループや組織のあり方は、元気がでるものでなくてはならない。私たちが存在を否定された状態で生きたくないのなら、持続性の思想が最優先されるべきだろう。これが私たちみんなのヴィジョンになることを願っている。」(スターホーク「権力・権威・神秘」)

 「世界を変えようと決意を固め、思慮深い市民たちからなる小さなグループの力を決して否定してはいけません。実際、その力だけがこれまで世界を変えてきたのです。」
(マーガレット・ミード)

 「①何でもいいから、好きなことをやれ ②他人のすることに、とやかく文句を言うな ③行動を提案するなら、必ず自分が先にやれ」 (小田実「ベ平連三原則」1965年)

 「①やりたい者がやる。やりたくない者はやらない ②やりたい者は、やりたくない者を強制しない ③やりたくない者は、やりたい者の足をひっぱらない」 (小田実「ベ平連三原則」1988年 )

 「ひとつの運動のなかで、特性で役割分担が出てくるのは、悪いことだとは思いません。アイデアを出す人、具体化する人、まとめる人、きちょうめんな人、盛り上げる人、役に立たないが一緒にいると楽しい人など、さまざまな人がいます。人前でしゃべるのが得意な人、絵を描くのがうまい人、体を動かすのが好きな人、ITに強い人などもいます。分担は、その人に固有の属性ではなく、役割です。人をエンパワーメントするには、役割を振ることもいいでしょう。話すことが得意な人がマスコミの取材を受ける役割をやったとしても、次は他の人が出てもいい。運動のノウハウを知っている人が、最初はリーダーシップをとってもいいが、ノウハウが行き渡ったら終りです。疲れたら休んで交代し、戻ってきたら歓迎される、というのがいいでしょう。そうであれば、昨日のリーダーは今日は活動してないかもしれませんし、今日のすね者も明日は熱心な活動家かもしれません。危機のときに、意外な力をみせて全体を救うのが、ふだんは役に立たない余計者だったりします。ある方向にむけて、効率化し、無駄や異論をすべて切った組織は、環境の変化や想定外の事態にきわめて弱いことをは、組織論では常識です。」 (小熊英二「社会を変えるには」)

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[追記]
「反原発>大規模なデモ、国会周辺で 坂本龍一さんも参加」
「福島を忘れるな、再稼働を許すな--。東京電力福島第1原発事故から3年を迎えるのを前に、国会議事堂周辺で9日、大規模な反原発デモがあり、大勢の市民が原発事故を風化させまいと声を張り上げた。」(毎日新聞 2014年3月9日)
by illcommonz | 2014-03-09 00:43
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