
父親には、仕事以外に、これといって「趣味」とよべるものがないと思っていたのだが、家の倉庫の隅に残されていた大量の工具と端材の山をみて、実は「DIY」が趣味だったのだと、今さらながら気づかされた。そういえば、子どものころから、「自分のことは自分でやれ」とよくいわれ、実際、そのいいつけ通りの人間になったが、その自分のDIY精神は、どうやら父親譲りのものだったらしい。ということで、父が使っていた工具を整理して、その一部を遺産相続することにした。

▼父の遺産

▼電動丸ノコ、電動ドリル、インパクト・ドライバー、ディスク・グラインダー、サンダー、

▼遺産目録がわりの取り扱い説明書
以前から電動丸ノコがほしいと思っていたので、これは嬉しい。しかもマキタのマルノコである。
2001年、横浜の国際現代美術展に参加したとき、いまは亡きジェイソン・ローズが日本でまっさきに行ったのはホームセンターで、そこで Makita の電動工具をどっさりと買いこんだという。ジェイソンは「マキタはパワフルでクールだ。特にモーターの音がすばらしい」といっていた。

▼マキタのマルノコ
そのマキタの電動丸ノコはパワフルで、たしかにモーターの音もいいが、なによりブレーキ機能がすばらしい。レバーをはずすと、キュッとノコギリの歯がとまる。父が遺してくれたこのマルノコで、父がやり残した仕事をはじめることにした。
(つづく)