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「宮崎駿監督が安倍首相を批判「歴史に名前を残したいのだと思うが、愚劣だ」
「沖縄県名護市辺野古への米軍普天間飛行場の移設に反対する「辺野古基金」の共同代表に就任したアニメ映画監督の宮崎駿さん(74)が7月13日、東京都内で記者会見を開いた。質疑応答で、記者から安保法案の成立を急ぐ安倍晋三首相について問われると、宮崎さんは「憲法解釈を変えた偉大な男として歴史に名前を残したいのだと思うが、愚劣なことだ」と批判した。
宮崎さんは「となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」などのヒット作で知られる映画監督。2013年に長編アニメの制作からの引退を表明したが、現在は「毛虫」をテーマにした短編アニメの制作に取り組んでおり、「引退前とあまり生活は変わっていない」という。
今年5月には、辺野古移設の反対運動を支援する「辺野古基金」の共同代表に就任した。宮崎さんは「沖縄の人の過半数以上が辺野古に基地を作ることに反対している。これから困難な道があるが、永続的にあらゆることをやっていく」「僕は辺野古に埋め立ての基地をつくることは反対だ」と述べた。
会見の質疑応答では、憲法違反の指摘を受けながらも、安保法案の成立を急ぐ安倍首相について、記者から質問が出た。宮崎さんは「私と逆の考えだ。軍事力で中国の膨張を止めることは不可能で、もっと別の方法を考えるために、日本は平和憲法を持ったのだと思う」「憲法解釈を変えた偉大な男として歴史に名前を残したいのだと思うが、愚劣なことだ」と語った。
さらに、「なぜ日本人は憲法を大事にしているのか」という質問に対しては、「15年にわたる戦争は、惨憺たる経験を日本人に与えた。平和憲法は光が差し込むようなものだった」「平和憲法は(第一次大戦後の)不戦条約の精神を受け継いだもので、必ずしも、歴史的に孤立したものだったり、占領軍から押し付けられたものとはいえない」と答えていた。」
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「山口二郎法大教授「安倍首相は劣情で国民を道連れにするな」
安保法制の原動力は、外務省と安倍首相、2つの劣等感なんですよ。
―安倍首相の劣等感とは、やはり祖父を何としても超えたいというコンプレックスですか。
そう。グランドファザー・コンプレックスとでもいうのかな。安倍首相は一族内ではお利口サンではないから、幼い頃から周囲にバカにされてきたんじゃないですか。その積年の恨みを祖父を超えることで晴らしたいわけです。祖父がやりたくても出来なかったことを実現することでね。そんな個人的な劣等感と、武力行使を放棄した戦後日本に対する劣等感とが、安倍首相の心の内でぴったり融合しているような印象です。
―となると、安倍首相を突き動かしているのは何でしょうか?
劣情です。参加しなくてもいい戦争に進んで参加し、無駄に敵をつくっていけば、いつか必ず日本の国内でもテロが起きますよ。安倍首相が劣情を抱くのは勝手ですが、国民を道連れにするなと言いたい。」