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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼「ファシズムの吹き荒れる時代にあって自らの信念に基づいて強く生きる女性の姿」
▼「ファシズムの吹き荒れる時代にあって自らの信念に基づいて強く生きる女性の姿」_d0017381_1610090.jpg
▼黒澤明監督「わが青春に悔なし」(1946年)
 「黒澤明監督の戦後最初の監督作品。ファシズムの吹き荒れる時代にあって自らの信念に基づいて強く生きる女性の姿を謳い上げたドラマ。原節子主演。」

 今年から非常勤講師として勤務している女子大には、映画を通じてさまざまな女性の生き方を提示する授業があり、その授業では、林芙美子の小説を映画化した成瀬巳喜男の映画(「めし」「放浪記」「浮雲」)がとりあげられている。いいセレクションだと思う。ウィキペディアは、成瀬映画について、こう解説している。

 「女性映画の名手として知られており、とくに高峰秀子とのコンビによって多数の作品を手がける。また小津映画によって神話化された原節子を『めし』『驟雨』で起用し、市井に生きる飾らない妻の姿を生き生きと演じさせた。」

 たしかに、そうだと思う。小津映画はサイレント期から晩年の作品までまんべんなく好きだが、小津が「紀子三部作(「東京物語」「晩春」「麦秋」)」で原節子に演じさせた、あの窮屈な女性像をいいと思ったことは一度もない(それと、あの「永遠の処女」という窮屈な呼び方もきらいである)。それよりも成瀬の「めし」や、黒澤の「わが青春に悔なし」で原節子が演じた女性像のほうが好きだし、案外、原節子自身もそうだったのではないだろうか。


▼「原節子に悔なし」

 「たたかいが終わり、文化の自由な活動がゆるされるようになった最近になって、私は私の職業に生きることがいちばんぴったりしていることを感じるようになった。それは、女というものの解放される世界の到来を前にして、目隠しされたものがとりはずされたような、広々とした世界の風光を身近に感じ、そこから女優として無限の希望を持つことがゆるされたようなよろこびが、私に職業への自信をもたせたのかもしれない」(「原節子の回想」)


▼原節子と高峰秀子

 ちなみに自分は、むかしから高峰秀子がすきで、大学の授業では「良妻賢母」とはいえないオルタナティヴな「女子映画」として、「ひなぎく」「地下鉄のザジ」「アメリ」をとりあげている。


▼高峰秀子

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「小津ファンの誰をも魅了=原節子さん死去で英紙追悼」
 「女優の原節子さんの死去を受けて英紙ガーディアン(電子版)は25日、小津安二郎監督の作品における原さんの役割の重要性を強調する映画評論家ロナルド・バーガン氏による追悼記事を掲載した。記事は「小津安二郎の映画に親しむ者は誰もが原節子に魅了されるだろう」と書き出し、小津作品の豊富なユーモアや感情、心理的・社会的洞察などは、原さんの「誤解されかねないほど似通った役柄の中で表現される」と指摘した。また、原さんの「輝くような笑顔は多様な感情を伝達する」とし、それは時に純粋な愛の表れであったり苦悩を隠そうとするものであったりすると論じた。 」(時事通信 2015年11月26日)
by illcommonz | 2015-11-29 16:13
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