
「映画の原理とは、光に向かい、その光でわたしたちの闇を照らすこと」
ジャン=リュック・ゴダール「アワーミュージック」
いったい人は、何をはじめようとして、
夢からさめようとするのだろう?
そして、ひとつの夢からさめた後、
次はどんな夢を光に託そうとするのだろう?
光のなかと、そのまわりで、
人は誰も見ることのできない
自分の夢をみる。
音楽は私たちを光の高みまで、
ひきあげてくれる。
スクリーンの下から
光があふれだしてくる。
相手を夢からさめさせぬよう、
また再び、闇にまいもどせぬよう、
夜でもなく昼でもないこの場所。
私たちの愛の、
なんと素晴らしいことか。
(ジャン=リュック・ゴダール「映画史4B:あらゆる場所にしるし」がより)

▼杉本博司「劇場」
「光は、いましばらく、あなたがたの間にある。
暗闇に追いつかれないように、光のあるうちに歩きなさい。
暗闇の中を歩く者は、自分がどこへ行くのか分からない。
光の子となるために、光のあるうちに、光を信じなさい。」
(ヨハネ福音書 12章 35~36節より)