【子どものこころのケア】
「子どもは、自分のこころの状態を客観的に把握することが難しく、自分からこころのケアが必要であると言い出すことは困難です。また災害に際して、子どもたちは何が起こっているのかを理解しにくく、そして今後どうなるのかについての見通しも立てにくいことから、大人とくらべても、ストレスの度合いが高くなります。
しかし、こうした状態をうまく口にできないため、災害を体験した多くの子どもたちのこころと身体には、たとえば、「赤ちゃんがえり」や「おねしょ」といったいろいろな変化が起こります。一方で、安心して安全に遊べる場を確保し、そこでの遊びを通して気持ちを発散することで、安定したこころの状態を取り戻すことができるのが、大人との大きな違いです」
[対応方法]
・行動に変化があっても、むやみに叱ったり、つきはなしたりせず、受け止めてあげましょう。
・ 気をつかうがんばり屋のお子さんは、負担が大きくなりすぎないよう気をつけてあげてください。
・現在起きている症状は、誰にでも起きるもので、その子のせいでないこと、恥ずかしいことではないと説明しましょう。
・一緒にいる時間を増やしましょう。
・子どもが話すことは、否定せずに聴いてあげましょう。
・ただし、話したくないときには無理に聞き出さないようにしましょう。
・抱きしめてあげるなど、スキンシップの機会を増やしましょう。
・災害体験を遊びとして繰り返すことは、本人が落ち着いていくプロセスです。無理に止めないようにしましょう。
【支援者のこころのケア】
「被災者のケアにあたる支援者は、自身が被災者であることも多く、また外部から入った支援者についても、災害体験を被災者から聞き、悲惨な状況を目撃することで精神的打撃を受け、こころや身体に様々なストレス反応がでることがあります。被災者と同様、支援者には、以下のような反応が生じることがあります」
・熟睡できない、眠れない等の睡眠障害
・動悸、胸痛、胸苦しさ
・ものごとに集中できない
・気分の落ち込み
・イライラしやすくなる
・涙もろくなる
・食欲不振/食欲過多
・疲れやすくなる
・強い罪悪感を持つ
・無力感を感じる
・頭痛や胃腸の調子が悪い等の身体症状
「災害時に、支援者にも不安や抑うつの反応が生じることは、恥ずべきことではなく、適切に対処すべきであることを承知しておくことが有効です」
[出典] 「被災者のこころのケア 都道府県対応ガイドライン」(内閣府 平成24年3月作成)
(PDF版)
http://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/pdf/kokoro.pdf