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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼ドイツの暗部と偉大なる偏屈
「アウグスト・ザンダー展」と同時開催されてた「ドイツ写真の現在」展のサブタイトルは、
「かわりゆく現実とむかいあうために」なのですが、というよりもむしろ、ドイツというところは
つくづく「かわってるなぁ」という、その国民的独異性と、その「かわらなさ」のようなものを
強く感じました。例えば70年代のジャーマン・プログレや80年代のノイエ・ドイチェ・ヴェレ
(ドイツのニューウェーヴ)に非常に顕著なように、ドイツというのは音楽にしろ政治にしろ
なんにしろ、なにをやらせても必ずヤリすぎてしまって、カッコよいのかクソださいのか
よくわからない、はみだしたものをつくってしまう、というこまったところがあります。

▼ドイツの暗部と偉大なる偏屈_d0017381_134310.jpg  それが、たまたまうまくいくと、
  ベッヒャー夫妻が撮ってるような、
  テクノ好きにはたまらないかたちをした
  インダストリアル・アーキテクチャーの
  知られざる傑作を、つくるつもりもなく、
  我知らず、つくりだしてしまうのですが、
  その思いこみがあまりに激しすぎた
  場合には、シュミットが撮ってるような、
  ヤバいものをうみだしてしまうわけです。

▼ドイツの暗部と偉大なる偏屈_d0017381_142667.jpg今回の展示でいちばんおもしろかったのは、
そのシュミットの「統・一 U-ni-ty」という
インスタレーションで、狂気、革命、犯罪、
テロ、独裁、虐殺を暗示するような写真でもって
「この民族を見よ、そして注意せよ」とばかりに
「ドイツの独異なる暗部」とその集合的記憶を
見事に照らしだしてました。

でも、そんなふうに、自らの暗部にきっちりと、しかもクソまじめに、そして、しつこく、
向かいあえるところが「ドイツの偉大なる偏屈さ」で、それができなくなってるのが、
いまのアメリカではないかと思いました。あとは、グルスキーのパノラミックな写真と
デマンドのクラフツマン・シップあふれる工作写真がよかったです。いっぽう、
ティルマンスの写真がどうしてあんなに人気があるのかちっともわかりませんでした。
それはたぶんイルコモンズが偏屈だからだと思います。
by illcommonz | 2005-12-19 02:00
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