▲ビクター社 オルガン OR-25 製造年不明
家にあるこの古いオルガンは、電気でモーターを回して風を発生させ、空気で鍵盤のリードを鳴らす「電気オルガン」(「電子オルガン」ではない)なので、もともと音は小さいのだが、それもいまや風前の灯で、今にも消えてしまいそうな音しかしない。しかも鍵盤を押してから音が鳴りだすまで、ぅぅぅぅぅううううぅうううん、という感じのタイムラグがある。そうなると、ゆっくりしたテンポでしか弾けず、そこがいいといえばいいのだが、もう少し何とかしたい。
分解してみることにした。
外付けのモーターから本体に空気を送り込む、このへんがどうもあやしい。音がちいさいのは、どこかから空気がもれてるせいだと思う。電気のせいではなく、空気のせいだと思う。
鍵盤のリード部分。ハモニカと同じ構造で、鍵盤によって音がでないのは、ここにホコリがたまっているからだと思う。ここも電気のせいではなく、空気のせいだと思う。スプレー式のエア・ダスターでホコリを吹き飛ばす。
よくみると、モーター・ユニットと本体とのあいだに貼ってあったスポンジ(枠のグレーの部分)が、経年劣化でボロボロのペラペラになってた。ここが空気もれの原因にちがいないので、100円ショップで売ってる「ドアのすきまシール」に貼りかえる。
青いモーターユニットと本体のあいだにあったすきまが完全にふさがった。
さっそく組みたてて、ひとつ鍵盤を押してみたら、「ぷぉぉぉぉぉぉぉおおぉぉん」とおおきな音がした。最低音から最高音まで「ぷろろろろろろろろろろろろろろぉぉぉおおん」と全部音がでた。ほぼ完全復活である。本体のカバーをとると、むかしの電子楽器(オンド・マルトノ)みたいなので、そのままにすることにした。修理の次は改造で、いずれ、うちにある古いエコー・チェンバーやリズムマシンと合体させてみたい。
修理を終えて、あとかたづけ。なるほど、これだけホコリやゴミがたまっていれば、でるものもでないだろう。みたとところ、モーターに問題はなさそうだし、モーター以外は、オーガニックな構造のオルガンなので、まだまだ使える。一生使える。