元旦にテレビをみてたら、
日本マクドナルド社が、
期間限定メニューで
「デミグラきのこバーガー」
(250円)を宣伝してて、
去年、試食した80円の
ハンバーガーとは
いかにも見かけが
異なるので、もしや
コレとアレとでは
品質や味に「格差」が
あるのかもしれないと思い、
公正を期すために、高円寺のマクドナルドで試食してみました。結論から云えば、
なんのことはない、いつ・どこで食べても同じアノ味でした。これでまた今年一年、
マクドナルドに行くことはないと思いますが、いくつか目についたことがありました。
ひとつは、トレイ・シートの裏に「食品標準成分表」が掲載されていたことで、メニ
ューごとのカロリー、ミネラル、ビタミン量などが記載されてました。あと、客の回転
率をあげるための堅いプラスティックの椅子もクッションのあるものに変わってました。
さらにトレイ・シートの表と裏に、品質についての問い合わせ先の電話番号とURLが
計4つも載ってました。また店内には「ドナルド・マクドナルド・ハウス」や「世界こどもの
日」へのとりくみを紹介するディスプレイがあり、要するに、どこを向いても宣伝の
バリューセット状態で、かわらない味と同様、「かわらない宣伝のうまさ」を感じました。
「食品標準成分表」は明らかに、映画『スーパーサイズミー』に対するカウンターキャ
ンペーンでしょうし、やわらかい椅子は『マクドナルド化する社会』への対応でしょう。
また、社会貢献それ自体はよいとしても、そこには「ブランド力を高める」と同時に
「未来の消費者を育てる」という思惑があるはずで、批判もふくめ、あらゆるものを
宣伝資本にかえてしまう、グローバル企業の商魂のたくましさを見る思いがしますが、
批判を宣伝にかえてしまうといえば、さらに一枚上手なのがGAPです。2001年の
サンフランシスコでのリクレイム・ザ・ストリートでは、スウェット・ショップ(搾取工場)
に対する抗議行動としてGAPのショップが破壊されましたが、スパイク・ジョーンズが
撮った下記のCMは、まさにそれを彷彿させるものでありながら、その事件を完全に
脱政治化してしまっていて、はじめ可笑しく、やがて悩ましきビデオクリップになって
います。映画『ザ・コーポレーション』をみると、企業がサイコパスだということがよく
わかりますが、これを見ると、その統合失調ぶりは決してあなどれないということが
わかります。ともかくも、このCMに関しては「してやられた」という感じで、まったく、
くやしぃったら、ありゃしない。
スパイク・ジョーンズ監督
「散らかしてすみません」 2005年
Pardon Our Dust
カラー 90秒 2.2MB
ロング・ヴァージョン