
「情報遮断が必要だという文化的コンセンサスが
熟していない現状では、私たちは少なくとも古代
ストア学派の教えに従うべきではないだろうか。
ストア学派の人びとは友だちに、なんでもかんでも
見てはいけない、また、過剰な視覚情報に溺れて
いはけない、と忠告したものだ。「目に見える無数の
モノのかたちやイメージが次々とはいりこんできて、
心の底に積みかさなる...それらは心を圧迫し、混乱をもたらすだろう。心はそれを
処理できるようにはできてないからだ。その結果、災禍をもたらす余分な亡霊たちが
生まれ、私たちの思考は散漫になる」。これらの亡霊は死に絶えることはないが、
私たちは確実に死んでゆく」(ポール・ヴィリリオ)