
エコノミー(家政術)発生の瞬間を
描いた絵のように見えます。
(パチッ!)
はーい、おきなさーい。
ほら、ほら、ほら、みてごらん。
そのかわいいお目をぱっちりあけて、
あっちの側からこっちの側にきたら、
どれでも好きな動物さんを、
あげますよ。
かつては動物と同様、外界の過剰な情報やモノの刺激を遮断し、「世界の貧しさ」の
うちに世界との連続性や一体感を感じ、そこに共にまどろみ放心し満足しきっていた
こどもたちは、家なるものを統治し支配する家政術(エコノミー)によって、そうした
「~しないですませる」ことのできる動物の生き方と潜在力を失い、飼いならされた
人間となるのとひきかえ(交換)に、かつては自分もそうであったところの動物、
もしくは、それをかたどったものを、「失われた我らが野生の記念品」として与えられる。
そして、それを所有し、管理し、支配するなかで、自分が動物であることを忘れる。
そしてやがて、動物もしくはそれをかただったものを抱いて共に眠る習慣を捨て、
ついには、睡眠を節約することを覚えたとき、その忘却は完璧なものとなる。
「イルコモンズの今日の寝言」より
人間と動物が交錯する眠りという例外状態のなかで