「ミュージシャンたちは、楽器の中にある
マザーボードとコンタクトしてるんだ。
物理的な接触ではなくて、何というか、
このあたりにある「何か」によって、
マザーボードと精神がつながるんだよ」
(ロバート・モーグ)
あいにくイルコモンズは「ミュージシャン」
ではないので、そういう「何か」を通じて
マザーボードと「コンタクト」をとることは
できません、が、
それでも、麺棒(めんぼう)と「コンタクト剤(接点復活剤)」があれば、古くなった
家電の接触(コンタクト)不良を回復させ、家電とのコンタクトをとりもどすことは
できます。嘘のような本当の話ですが、ひと昔前の家電製品の不具合や故障は、
ホコリやサビなどによる接触不良が原因であることが非常に多く、特にこういう
ロータリー式(あるいはスライド式)のツマミや差込ジャックのあるアナログ楽器や
音響機器はそうです。俗に「ガリ」とよばれる、ガリガリガリとか、ジジジジジジとか、
ブチブチブチとかいう耳障りなノイズ(音響系のアノ音です)の原因のほとんどは、
基盤回路から発生するものではなく、パネルまわりの部品やジャックの接触不良
によるものなので、ツマミをぐりぐりと動かしたり、コンタクト剤を吹きつけてやった
りして、麺棒で丁寧にホコリやサビをとりのぞいてやるだけで、嘘のようにピタリと
鎮まります。また、基盤回路にしてもモーターにしてもホコリこそは最大の敵で、
思わぬ誤作動やトラブルをひきおこす最大の原因でもあるので、例えばこうした
サイトを参考にしながら分解掃除をすれば、ホコリによる故障や事故の危険を
避けることができます。そういえば、こないだ「付喪神」のはなしを書いたときに
「すすはらい」のことがでてきましたが、こと電気製品に関していえば、現実に、
この「野生のコモンセンス」としての「すすはらい」の考えと習慣が家電製品の
たたりや災いを避けるために、大事なわけです。
というわけで、ミュージシャンでなくとも誰にでもできることとして、
まずは麺棒を手にとり、目につく穴をかたっぱしからほじるというかたちで、
古い機材との手を通じた物理的なコンタクトを再開しました。
そして、これは、やりはじめると、クセに、なります。
-----------------------------------------------------
[追記] コンタクト剤(接点復活剤)というのは、
左のようなやつです。それから、ふき掃除には
「暮しの手帖」特製の
「日東紡のふきん」の
ふきとり具合がとてもよくて重宝します。
これもぜひお試しください。
丈夫で長持ちします。