
ブラウン管の映像が
すてきにゆがむ。
大臣の顔も役人の顔も
みんなゆがむ。でも、
もともと、はじめから
ゆがんでるんだけどね。
そして、これは家電の「事故」でもなければ「故障」でもなく、「アートだ」ということを
ユーモアをこめて教えてくれたのは、パイクだった。「東は東、西は西、東と西は
決して出会わない」と云ったキップリングに、冷戦時代のどまん中で、「バイバイ!」
と手をふってみせてくれたのもパイクだった。冷戦時代の方がまだましだったとは
思わないけど、とにかく今はひどすぎる。磁石が幾つあっても足りないし、テレビに
磁石を近づけたりしたら、いずれ電気警察がとんでくるようになるかもしれない。
でも、それはまた別の話で、ともかく今は、バイバイ・パイク、カムサ・ハムニダ、
アンニョンヒ・カセヨ。
▼ナム・ジュン・パイク「ビデオテープのための習作 第3番」(.avi 31MB)を
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