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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼ゴーモン社が「スペクタクル社会」を正式リリース
▼ゴーモン社が「スペクタクル社会」を正式リリース_d0017381_1393388.jpgフランスにゴーモンという映画会社があります。
ゴダールの映画の制作配給をやってる会社です。
といっても、アップリンクやイメージフォーラムのような、
インディペンデント・アート系の会社ではなくて、
フランス最大大手で、かつ老舗の映画会社です。
さしずめ日本でいうと、松竹みたいな会社です。

これが登録商標です (ね、花のマークが、松竹みたいでしょ)。

ここは大手の老舗だけに、商売本位なところもあって、興行をあげるために、
かつて、ジャン・ヴィゴの映画「アタラント号」をずたずたにするという悪行を
はたらいたこともありましたが、のちに心をいれかえ、それをもと通りに復元
するということをやってみせて、今度はそのことを売りものにして商売をする、
という、商魂たくましい映画会社です。そのへんのことは、ジャン・ヴィゴの
「ニースについて」についてるDVD特典映像をみると、よくわかります。
たしかに復元された画面はきれいで、つまり、たまに善いこともすれば、
悪いこともする会社ですが、そのゴーモンが、好いことをしました。

「スペクタクル社会」をふくむ、ギー・ドゥボールとシチュアシオニスト・アンテル
ナショナルの映画7作品をDVD化してリリースしました。これがそうです。

▼ゴーモン社が「スペクタクル社会」を正式リリース_d0017381_1395780.jpgCONTRE LE CINÉMA
・Hurlements en faveur de Sade
・Sur le passage de quelques personnes à travers une assez courte unité de temps
・Critique de la séparation

LA SOCIÉTÉ DU SPECTACLE
・La Société du spectacle
・Réfutation de tous les jugements, tant élogieux qu'hostiles, qui ont été jusqu'ici portés sur le film « La Société du spectacle »

IN GIRUM IMUS NOCTE ET CONSUMIMUR IGNI
・In Girum imus nocte et consumimur igni
・Guy Debord, son art et son temps

といっても、こんなパッケージじゃ、なんだかよくわかりませんね。
でも、このトリコロールカラーは、たしかにきれいです。あと、公式
サイトには、本篇からの抜粋映像もアップしてありますが、これも
タイトルとインタータイトルの文字列だけで、やっぱり、これじゃ、
なんだか、よくわかりませんね。

▼ゴーモン社が「スペクタクル社会」を正式リリース_d0017381_13274936.jpgギー・ドゥボール編
映画「スペクタクル社会」(1973年)
LA SOCIÉTÉ DU SPECTACLE
*ゴーモン社による抜粋
つまり、「中身を見たければ、買いなさい」ということなのでしょう。
なにせ、「スペクタクル社会」という本やコトバは知っていても、
そのフィルムはこれまで(オフィシャルな場では)あまり上映される
機会のなかった、伝説のフィルムなのだから、「中身を見たければ、
買いなさい」ということでしょう。このへんがさすがにゴーモンだなと
思います。善いこともすれば悪いこともする。インタヴューなどで
よくゴダールが「ゴーモンときたら...」と愚痴るのも、なるほど
よくわかります。そして、たしかに画面はきれいです。

以前(半年くらい前まで)は、海外のそのスジのサイトで、英語の
字幕のついたムービーデータを自由にダウンロードできたのですが、
それが最近ひっこんでしまったのは、もしかすると、このリリースと
関係しているのかもしれません。たしかに、そのムービーの画面は、
あまりきれいではなかったし、wmp 形式のムービーとはいっても、
合計で900MB以上あったので、今回のDVDのリリースは決して
わるくない話ではあるのですが、とはいえ、お金のない人間にとっては、
なかなか手の届きにくい値段ではあるので、ふぅむ、という感じです。

「ザ・コーポレーション」にしろ、「コヤニスカッティ」にしろ、また、
マイケル・ムーアの映画にしろ、その種のドキュメント映画の中で
効果的に使われている、「ストック・フッテージ」の流用と再編集は、
この映画でドゥボールがやってみせた手法が手本になってるので、
(たとえばレジオは「コヤニス」のクレジットの中で、この映画は
ドゥボールにインスパイアされてできたものだと明記してます)
できれば、こういう作品は、映画づくりのための必修教材として、
「パブリック・ドメイン」にいれてほしい気がします。

でも、さすがに900MB以上あるものを、ここにアップすることは
できませんので、とりあえず、何枚かキャプチャー画像をアップ
しておきます。

▼ゴーモン社が「スペクタクル社会」を正式リリース_d0017381_14403153.jpg
あと、「スペクタクル社会」には、この映画に対する論評をうけ、
それに対するレスポンスとして、ドゥボールがつくった「反駁」、
(正式名は「映画「スペクタクルの社会」に関してこれまでに
なされた毀誉褒貶相ばかばする全評価に対する反駁」)という
「スペクタクル社会」の短縮版のようなフィルムがあって、これは、
20分くらいの短編で、しかも、イルコモンズの私見では、むしろ
こちらの作品の方がよくできているようにおもえるので、これは、
いずれ「文化人類学解放講座」と「イルコモンズアカデミー」で、
「学習教材」として上映したいと思います。

▼ゴーモン社が「スペクタクル社会」を正式リリース_d0017381_14415839.jpg「反駁」1975年
Refutation de tous lese judgement
tant elogieux qu' hostiles sur le film
"La Societe Spectacle"
モノクロ 21分
仏語ナレーション+英語字幕つき
▼ゴーモン社が「スペクタクル社会」を正式リリース_d0017381_14385139.jpg字幕は英語ですが、さいわい、
この本にその翻訳がありますので、
それとあわせて見たいと思います。

ギー・ドゥボール
「映画に反対して―
ドゥボール映画作品全集〈下〉」


われわれは夜に
彷徨い歩こう、そして、
すべてが火で焼き尽くされんことを。
(ギー・ドゥボール)

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▼ゴーモン社が「スペクタクル社会」を正式リリース_d0017381_16314429.jpg[追記1] 下記のフランスのサイトにいけば、
「スペクタル社会」と「反駁」のデータがあります。
ダウンロードしやすいように細切れのビデオ
クリップ(wmv形式)になってますので、
スクリーニングには向いてませんが、
見たことがない方はまずこちらでどうぞ。

Debord vivant.

▼ゴーモン社が「スペクタクル社会」を正式リリース_d0017381_418343.jpg[追記2] 「スペクタクル社会」の「流用法」の
一例として、たとえば、DJ Spooky は、
こんなふうにDJプレイのバックで
スクリーニングしてます。

DJ Spooky @ Sinus Series Basel

▼ゴーモン社が「スペクタクル社会」を正式リリース_d0017381_4335553.jpg[追記3] イルコモンズも昨年、京大・
吉田寮の「post-festum/ante-festum」で、
VJ (「京都連続ビデオ暴行事件」)をやったとき、
使ってみたのですが、クリック・ハウスでもサルサ
でもラヴァーズ・ロックでも、だいたいどんな曲でも
よく合います。
▼ゴーモン社が「スペクタクル社会」を正式リリース_d0017381_454596.jpg[追記4] これもある意味では「流用」の一例。
なお、この落書きについては、イルコモンズ著
「さよなら落書きなき世界」『現代思想』2003年
10月号を参照ください。
by illcommonz | 2006-04-19 14:46
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