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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼「イルコモンズ・アカデミー補講:リクレイム・ザ・経済」
▼「イルコモンズ・アカデミー補講:リクレイム・ザ・経済」_d0017381_2132340.jpg最近は「エコ」といえば、
「エコロジー」のことで、
「経済」という意味の
「エコノミー」のことでは
ありません。

また「エコノミックアニマル」とか
「エコノミークラス」のように
「エコノミー」というコトバは、
どちらかといえば、あまり人を
痛快でウキウキ・ワクワクな
気分にさせるようなコトバでは
ないようです。

いっぽう、日本語の「経済」というコトバも、別名「ゴーゴー・エコノミー」と呼ばれる
「グローバル経済」や「資本主義経済」、また別名「ネオリベラリズム」と呼ばれる
「市場経済原理主義」といった熟語やコンテクストの中で目にすることが多いせいか、
はっきり云って人気がありません。偏見を承知で云うと「エコノミー」というコトバには、
「がめつさや、しみったれや、ケチ」の臭いがし、「経済」には、おじさんと新聞と株の
臭いがします (ちなみに「エコロジー」にはイルコモンズの好きな「おんなこども」の
臭いがします)。

さて、こないだのイルコモンズ・アカデミーでは「ギフトエコノミー=贈与経済」を
テーマに、トロブリアンド諸島の「クラ」についてのドキュメント・フィルムを見ました。
あのムワリとバギの交換を「エコロジカルなモノの循環」とか「ローカルな交換の
ネットワーク」あるいは「贈与による想像の共同体」といったロマンチックなイメージで
語ることもできるでしょうが、ここではあえて無骨に、クラは「エコノミー」であり、
あれも「経済」であると、そう考えてみたいと思います。そうした方が「もうひとつの
経済は可能だ」というふうに想像することができるからです。そして、イルコモンズが
考える「もうひとつの経済」とは、日本語の「経済」というコトバのもともとの原点に
あったアレのことです。

そもそも「経済」というコトバは、「経世在民」という4文字ことばの略称で、荻生徂徠の
アカデミーにいた荻生狙裸がつくった造語だということは、学校や大学で習う通りです。
「経」というのは「世界の道理や筋道」のことで、つまり人の世のスジをきっちりとおし、
それによって民を「在」らしめ、その救「済」をはかるというのが、「経済」というコトバに
プログラムされた、そのオリジナルのコンセプトです。つまりそれは、なかなかよく
デザインされ、設計されたフレーズで、それだけでひとつの、スローガンになり、
メッセージになり、ポリシーになり、キャッチコピーになりうるようなもので、その当時の
言葉でいうと、それは、いわゆる「世直し」のためのメソッドであり、メディアであり、
セオリーであり、プログラムなわけです。こういうよくできた古いものを放っておくのは、
もったいない話なので、「経済」というふうに、略さず・英訳せず、もういっぺん、
ふりだしにもどって「経世在民」とつづりなおす、そういうコトバのリサイクルから
はじめてみるのはどうかと、イルコモンズは思うわけです。

と、いきなりこんなことを書いたのは、こないだのアカデミーの後に「でも、自分たちに
何ができるのか?何をしたらいいのか?」という質問をうけたからで、それに対する
レスとして、これを書きました。1970年代のNYに「アート&ランゲージ」というコトバを
使ったソーシャルアートの実験がありましたが、例えば、これなんかを手本にしながら、
特にデザインやことばにかかわって生活している人は、その人に「できること」として、
「経済」というコトバの中に眠りこけている「経世在民」の魂を甦らせるようなデザインを
やってみてはどうかと思うわけです。

そう思ったので、さっそく自分でまず実験してみました。

▼「イルコモンズ・アカデミー補講:リクレイム・ザ・経済」_d0017381_2112126.jpg
【実験1】 ニュースの書き換え (*上の画像はイメージです)

[ニュース]団塊世代退職で15兆円の経世在民効果 電通試算 (毎日新聞 4月1日)
電通は、団塊世代(1947~51年生まれ)の07年以降の退職によって、
約15兆3233億円の経世在民効果が生まれるとの試算をまとめた。
07年から5年間は、国内総生産(GDP)を年0.6%押し上げる効果が
期待できるという。(…) 贈与の押し上げ効果では、不動産関連が
約4兆924億円と全体の53%を占めて最も多く、団塊世代が経世在民を
引っ張るとの見方を示した。この他、国内や海外への「退職基金」は、
約1兆1160億円、株式や投資信託などの金融商品の寄贈は約6755億円、
車やバイクなどの高額商品の寄付は約4,040億円。直接的な贈与は
約7兆7,762億円にのぼり、それに伴う幸福の拡大などで、全体の
経世在民効果は15兆円を超えると予想している。

もし、このデンツーの試算が正しくて、15兆円の「経世在民効果」なんてものが
起きたら、さすがにその時は、少しくらいは世界も変わるかもしれませんが、
でも、もしまた、性懲りもなくバブルの時みたいに、アホな消費や、さらに
もっと昔のマイホーム主義に回帰するのなら、その時は、ますますこの団塊の
世代のことをますます呪わしく思わざるを得ませんね。むろん「期待は失望の母」
なので、期待なんてしてませんけどね。

余計なお世話ですが、団塊チルドレンの方は、ぜひ「おとうさん、おかあさん、
もし15兆円あったらどれだけの経世在民ができるか想像してみたことある?」と、
ためしにきいてみて下さい。もちろん期待はしてませんけどね。
by illcommonz | 2006-04-26 21:17
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