
新宿の高島屋デパートで、くまのプーの展覧会を観てきました。
展示の前半はプーのモデルになったハロッズのぬいぐるみを
はじめ、「三方金」(*本の天・地・小口に金箔を貼る装丁)の
初版本や、ウィリアム・モリスのテキスタイルをあしらった記念
本などがありました。後半は、ディズニー版のプーの展示で、
その展示のいちばんおしまいに、総額840万円(消費税込み)
という、金とダイヤとルビーをあしらったプーのジュエリーが
陳列してあって、これをみながら、はるか忘却の彼方にあった、
あるフレーズがふと頭をよぎりました。古いフレーズだけど、
きいてくれ、1よ。もうね、アホか、と、バカか、と、840万円だよ、
840万。これをつくった人間を問いつめたい、小一時間..(以下略、詳しくは
ここを参照)
で、この840万円のブツと初版本のどちらかをくれるといわれたら、どうするだろう、と
考えてみましたが、考えるまでもなく、答えはすぐ出ました。答えはどちらもいらない。
初版本はたしかに愛らしいけど、もらっても、ちゃんと保管しておく場所がないので、
もらってもこまる。それが結論。

[追記] というわけで、くまのプーに関しては、
ディズニー社がプーのキャラクター使用権を
手に入れた1966年より、ずっと前に、原作者
A・A・ミルンの監修のもとでリリースされた、
この朗読レコードが一番の宝物で、もし火事や
地震がおきたときは、ともかくもこれを持って、
(ちょうどこのジャケットの絵みたいにすたこら、
逃げようと思ってます。
Jack Gilford "Winnie the Pooh:
17 songs from the pooh song book"
これは1950年代のはじめにオペラ歌手のジャック・ギルフォードが吹き込んだレコードで、
「とてもあたまのわるいくまが書いた詩」とか「くまはいつも"ほぉ!"と歌って生きる」などの
詩とうたが収録されてます。ジャケットのプーの絵が不細工なところも、いかにもおおらかで、
好いです。もちろん、これは廃盤で、いまはもうどこのレコード会社からも販売されてないし、
ディズニーといえど、このレコードに関しては口出しできないはずなので、いずれデジタル化
した音源をアップします。