
イルコモンズトラベリングアカデミーからもどって、
そのまま着替えもせず、お風呂にもはいれず、
都内をトラベリングしながら何をしてたかというと、
これをつくってました。岡本太郎の「明日の神話」の
公開にあわせて放送される
日本テレビの特別番組の
取材のためのインスタント・インスタレーションです。
取材のテーマが「岡本太郎と呪術」ということで、
「番組的にはどんなイメージがほしいのですか」と
製作者に尋ねたところ「呪術的な感じがするもの」
ということだったので、むかし「太陽のうらがわ/
太郎のはたわた」という展示で使ったものを
イルコモンズ倉庫の奥からひっぱりだしてきて、
雨のなかローカル線を何本も乗り継ぎながら、
都内を三往復して、ようやく仮設作業がすみました。
イルコモンズが、テレビを見ないのは、このブログでなんべんも書いたとおりで、
また、テレビというメディアは、スポンサーとか視聴率とかにからんだ、いろんな
規制や制約が多く、できればあまり関わりあいになりたくないメディアなのですが、
今回は、岡本太郎をとりあげたドキュメント番組で、しかも、その岡本太郎自身、
テレビが消費とスペクタクルのメディアであり、それに出ることが芸術家として
命取りになりかねないことを承知の上で、あえてそれに挑戦し続けた作家でも
あるので、それにならい、今のテレビの番組づくりで、何がどこまで、できるのか
を実地に検証してみたくなって、こういうインスタレーションをつくってみました。
もし事情がゆるせば、イルコモンズアカデミーでも上映した一連の「殺すな」の
ビデオを提供し、はたしてテレビがあれを放映できるのかどうかをみてみたいの
ですが、なにしろ急な話で、「殺すな」に関わった人たちとの連絡もままならず、
それは実現がむずかしそうです。もっともこのインスタレーションだってどうなるか
わかりませんが、何にせよ、まずは実現が難しそうなところから話をはじめて、
それをすこしづつ実現可能なかたちに調整してゆくというやり方をしないと、
おもしろいものなんてできないので、完全にムダになるかもしれませんが、
とりあえず準備だけはしておこうと思って、つくってみたのがこれです。
さて、どうなることか、ふふふ。(
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