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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼人類みな野蛮
(イルコモンズの「文化人類学解放講座」より)

d0017381_22285217.jpg
「モンド映画というのは「民族誌映画」に対するアンチテーゼですね。
それは、ものごとの全体観(holism)や、その文脈(context)、そして
信憑性(authenticity)というものに無頓着で、ものごとをズタズタに
断片化(fragmentation)し、シーンをすっとばし(jump cut)、文脈を
メチャクチャ(decontextualization)にして、さらには、ごまかしや
インチキ(fakery)で作品をでっちあげるものです」(A・ステープルス)
「つまり雑種の映画(hybrid film)ですね」(C・キルゴア)

『アメリカン・アンソロポロジスト』誌掲載「モンド博士との会見記」より

【注意】上の意見は、どちらも「モンド映画」をけなしているのではなく、
従来のモダンな民族誌映画や民族誌の特徴であると同時に、問題点
として指摘された点をのりこえるようなポストモダン的実験性がモンド
映画にあることを指摘し、その点を再評価したものです。
....................................................................................................

今回の講義では「文化相対主義(Cultural Relativism)」について学びます。
文化相対主義の意味とその定義については、たいていの文化人類学の教科書や
参考書に書いてありますので、ここではとりあげません。それではこまるという人は、
下記に断片的な資料と画像がありますので、そちらをみてください。

d0017381_22421742.jpg
自民族中心主義から文化相対主義への歩み~書斎からフィールドワークへ
「平成17年度 文化人類学解放講座」より

かわりに、この雑種の学としての「文化人類学解放講義」では、アルゼンチンの
現代文学者、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編「ブロディーの報告書」をよみ、
そのあと、イタリアの映画作家グアンティエロ・ヤコペッティのモンド映画の傑作
「世界残酷物語(原題 Mondo Cane)」(1962年)をみて、「文化相対主義」とは、
どういうようなものか(what it looks like)を紹介し、最後に「反・反・相対主義
(Anti-Anti-Relativism)」の立場をとるアメリカの文化人類学者クリフォード・
ギアツの見解などを紹介します。そして、ごくおおざっぱに云ってしまえば、
文化相対主義とは、文化というものにそれぞれおかしなところや変なところが
あるのは「おたがいさま」で、「どっちもどっち」というモノの見方や考え方であり、
さらに別の言い方をすれば、「ボケ」としての普遍主義に対して「ツッコミ」の役を
担うのが相対主義だ、ということなどを、お話します。

d0017381_2240216.jpg▼ブロディの報告書をよむ
「ブロディの報告書」(抜粋)
「平成17年度 文化人類学解放講座」より
▼ヤコペッティのモンド映画をみる
「世界残酷物語 ノーカット完全版」 
1時間38分 カラー 日本語字幕つき

[解説リンク]
民族誌の二十一世紀はヤコペッティのモンド・カーネと共に再開する
モンドカーネの宣伝広告とムード音楽(教材資料)
常識と真実と道徳の破壊的相対主義者ヤコペッティ

d0017381_22575614.jpg[作者のことば] 私の映画のナレーションは、まさに私自身だと
いってよい。さいわい私には、ユーモアのセンスというもの
があって、それがあるからこそ、ふつうなら到底耐えられない
ようなシーン、最悪だといわれるような場面でも受け入れること
ができるのだと思う。世の中のことは、それがいかに最悪な
出来事であれ、最悪なりの理由があり、それは受け入れなく
てはならない。そもそも我々の主観的な判断がいつも正しい
とは限らず、なにが最悪でなにが最善だと、決めてかかるの
は真実の勝手な歪曲だといえる。私のナレーションは、よく
シニカルだといわれるが、私にいわせれば、あれは皮肉では
なく、アンチ・レトリックだ。決まり文句や紋切り型の文章は
大嫌いだ。常識もまた然り。人からつっこまれるのを恐れて、
とりあえず世間的に正しいとされていることを言っておくことに、
一体どんな意味があるのか?(グアンティエロ・ヤコペッティ)

「評者のことば」
プレスの反応はしばしば敵対的なものでしたが、ヤコペッティたちの映画は、
その観客たちに彼らが持ってる偏見や道徳観を問いなおさせることに見事に
成功したのです。その最大の特徴は「ジャクスタジション」にあって、その
カルチャー・ショック療法は、私たちがもっていた未開とモダン、聖なるも
のと俗なるもの、人間と動物、男と女、宗教と科学、空想と現実などのあい
だに横たわっている垣根についての考え方や知識をすっかりぶち壊してくれ
ました。未開の儀式と文明の儀式などという区別は間違いであって、私たち
は自分たちが暮らしている社会や、ビジネスマンたちのツアー旅行、モダン
な芸術家、ダイエット教室などにこそ、本当に未開なるものがあるのだと、
真剣にそう思いはじめるようになりはじめたのです。(...) モンド映画は、
それを見る側の身にもふりかかってきて、誰ひとり安全な場所にいることな
どできないのです。それは単なる旅行の物語(トラベローグ)ではなく、
モンド映画は、あなたが異文化を観察するのと同じように、あなた自身の文化
についても語らずにはおかないのです。(チャールズ・キルゴア)
『アメリカン・アンソロポロジスト』より

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最後に時間があれば、文化の記録と表象において語り口(ナレーション)と
音楽(サウンドトラック)が持つ作用と副作用について、次の教材を使って
お話をします。

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[映像(+)音楽(-)音楽]
▼「世界残酷物語」日本版予告篇
▼「世界残酷物語」オリジナル予告篇(サイレント版)
「世界残酷物語」(ナレーション版) (「You Tube」より)

[音楽のみ] ▼「世界残酷物語のテーマ」
[映像(+)音楽] ▼インドのカオスモス
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[参考文献] クリフォード・ギアツ「解釈人類学と反=反相対主義」(みすず書房)
[おまけ] ピアノ狂想曲「野蛮なのは誰か?」『世界残酷物語2』より
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by illcommonz | 2006-06-28 23:06
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