このブログや「文化人類学解放講座」などでも
何度か紹介してきた「バイ・ナッシング・デー」や
「テレビ消灯週間」の発案者にして、
雑誌「ADBUSTERS」の編集者である
カレ・ラースンの本
「CULTURE JAM」の
日本語版がでました。
「さよなら、消費社会」
カルチャージャマーの挑戦
大月書店 ¥2,200
日本語のタイトルや翻訳がどうのこうのよりも、
まずはこの本が日本語で読めるようになった
ことに感謝。肝心の内容に関しては、
「イルコモンズ特薦」です。いうなれば、
この本は「抵抗する暮しの手帖」のようなもので、資本主義生まれの僕らが
"あたりまえ"のように思っている生活が、実は全然"あたりまえ"ではない、
資本主義的な歪みに満ちた特殊な「文化」であることのレッスンからはじまり
(こういってよければ、それは「消費文化」という史上最強の「西欧文化」に
対する、文化人類学的で、文化相対主義的で、文明批評的なチャレンジ)、
次に、その「文化」のBPMを変え、スピンさせ、スクラッチする、つまりは、
ジャミングするテクニックやアイデアが豊富に紹介されているので、テレビ
が絶対に教えてくれない"反抗的知性"や"不服従的感性"がよく身につき、
"対抗文化的な叡智"や"健全な反抗的情操"を養うことができます。
以上の理由により、各種大学および専門学校の一般教養過程の必読書
もしくは指定参考書として特薦します。なお、同書は、アドバスターズの
最大の特徴であり、また最強の武器でもある「グラフィック」の要素にやや
欠けるところがあるので、図書館で購入する際には、雑誌「アドバスターズ」
も併せて購入し、以後、購読契約をむすぶことを推奨します。
あと、日本版といえば、このブログやイルコモンズ・アカデミーでも紹介してきた
映画
「ザ・コーポレーション」のDVDがついに出ました。ちょうど給料と原稿料を
もらったところだったので、さっそく買いもとめました。「さよなら、消費社会」を
読んで、さらにこの「ザ・コーポレーション」をみれば、確実に、世界がちがって
みえてくるはず。ということで、次回の東京のイルコモンズ・アカデミーでは、
「ミッキーマウス、ハイチへ行く」と、これをあわせて見ようと思いますので、
どうぞおたのしみに。
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[関連日誌]
▼マルコム・サンタが街にやってくる
▼テレビ消灯週間
▼イルコモンズマッドソーシャルサイエンスアワー(最終回)
▼ザ・コーポレーション (イルコモンズ版)
▼ザ・コーポレーション (淀川版) ほか