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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼いつか、偏見の、彼方に
▼いつか、偏見の、彼方に_d0017381_0215489.jpgいる誰かに届くと信じてましたが、
ようやく届いたようで、ほっとしました。
すでにご存知の方もいらっしゃると
思いますが、レバノン戦争の時に、
イルコモンズがYouTubeにアップした
キース・ジャレットの「虹の彼方に」と
ベイルート市街の空爆映像のマッシュ
アップムービー「SOMEDAY OVER
THE WINDOW」
について、今から
一月ほど前に、このムービーに対する
最初のコメントとして、こういうコメントが
つきました。

「ジャレットの音楽を、テロリストであるアラブの大儀のために誤用するなんて、
よくもまぁ、そんなことができたもんだ。お前はきっと告発されるだろう」
(How dare you misappropriate jarrett's music to support your
terrorist/arab cause. You should be sued.)

いうまでもなく、エドワード・サイードが「オリエンタリズム」という概念で徹底的に
批判したのが、この「テロリスト」と「アラブ(人)」を同一視してしまう偏見に満ちた
まなざしとその暴力であり、むしろ、こうした偏見の方こそ告発されるべきものじゃ
ないのかしらんと思ったのですが、それに真正面から反論するより、こういう偏見
が現実に存在するというナマナマしい事実(そしてこの偏見がブッシュやブレア
たちがいう「テロとの戦争」を後押ししている)を、YouTubeのようなパブリックな
場でしっかり共有することの方がいいように思ったので、あえて反論せず、削除も
せず、このコメントをくれた人物にはわるいけど、応答せず、ずっと放置してました。
そうしたのは、YouTubeは、オープンな発言の場なので、いつか、この偏見の
向こう側にいる誰かが、イルコモンズの代わりに、何か云ってくれるはずだという
期待があったからで、告発されるなら告発されてもいいという気持ちで待機して
ましたが、ついに昨日、イルコモンズの代わりに、応答してくれる人物が相次いで
現われ、救われた気分になりました

「君みたいに、せまい心と偏った考えを持った人が、よくもまぁ、ジャレットの音楽を
きけるものだね」
How Dare someone narrow minded and brainwashed asyou
even listen to Jarretts music.

「すばらしい、なんという愛と悲劇... よくできてる。私はキース・ジャレットの音楽の
ファンで、70年代からずっと演奏してる。テロリストだとかアラブだとか、せまい心
だとか偏った考えだとか、そんなことじゃないんだよ、これは。」
Great! Lovely and tragic . . well done. I've been a fan of KJ's
music and playing since the 70's. terrorist/arab/narrowminded
/brainwashed it is not.

そう、そういうことじゃないんです、これは。これが何なのかはイルコモンズにだって、
わかりません。うつくしいのかおぞましいのか、リアリズムなのかファンタジーなのか、
人道的なのか残酷なのか、レクイエムなのかプロパガンダなのか、よくわかりません。
わからないけど、ほとんど偶然にできてしまったこの映像と音楽には、人の心を
揺さぶる「何か」があるのを感じ、それは、文化や言語や世代や国家を越えて
共有可能なものだと思ったし、そうあってほしいと思ったからこそ、批判や反論や
違和感はあるとしても、いつか必ずそれを飛び越えて、その彼方にいる誰かに届く
はずだと思って YouTube にアップしました。ものごとの見方が偏ってるという点
ではイルコモンズも相当に偏ってます(だからこそ「イル」コモンズなわけです)。
またイルコモンズはポストモダンの教育をうけた世代なので、つくった人間が
そのつくったものについて一番ただしく理解しているとも思ってません。つくった
当人だからこそ分からない盲点があると思ってます(というより、これは偶然
みつけた二つの映像と音を組み合わせたら勝手にできてきたもので、自分
たちがつくったとすら思ってません)。だからこそ、いろんなコメントや応答の中で、
これが何なのかを誰かがいずれ教えてくれるだろうと思ってアップしました。
そしてそのコレスポンダンスは、カビの生えたような古臭いオリエンタリズムの
議論などからはじめたくなかったし、さらに云えば、キース・ジャレットの音楽の
話にもしたくなかった。なにより、いちばん届けたい相手は、レバノン人であり、
イスラエル人でした。ただ、これができてきた時、なぜか直感的に、これは
「エコーグラフィー」だと思ったので、エコーのように後からすこし遅れて残響が
かえってくると思ってました。そのエコーのひとつが、ようやく遅れて返ってきて、
素直にうれしいと思いました。よかった、、、、

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[追記1] 同じく「HUM BOMB」の方にもちらほらコメントがついてきました。

[追記2] 「レバノン南部から完全撤退 衝突再燃も」
イスラエル軍は1日、レバノン南部に駐留していた地上部隊数十人が撤退し、レバノン
紛争の制圧地域からの完全撤退を終えたと発表した。ただ、イスラム教シーア派民兵
組織ヒズボラが拉致したイスラエル兵2人の解放やヒズボラの武装解除など、停戦
条件としてイスラエルが掲げた要求は依然実現しておらず、衝突再燃の火種を残した
ままの撤退となった。今回の紛争はヒズボラによるイスラエル兵拉致(7月12日)に
端を発し、レバノン側に約1200人、イスラエル側に約160人の犠牲者を出して82年
のイスラエルによるレバノン侵攻以降、最悪の衝突に発展した。国連安保理決議に
基づき8月14日に停戦が発効。イスラエルは(1)ヒズボラが拉致した兵士の解放
(2)ヒズボラの武装解除(3)レバノン、シリア国境への国連軍の配置などを求めて
きたが、いずれも実現の見通しは立っていない。(毎日新聞 10月1日)
by illcommonz | 2006-10-02 01:40
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