はじめに、ふた、ありき
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「指導者、糖尿病だから…」中川昭氏、北朝鮮問題で発言」
自民党の中川昭一政調会長は20日夜、静岡県浜松市で講演、北朝鮮が核弾頭を搭載した弾道ミサイルで日本を攻撃する可能性について「普通は思わないですが、あの国の指導者は、ごちそうを食べ過ぎて糖尿病ですから、考えてしまうかもしれない」と述べた。糖尿病患者から反発されるのは必至だ。 中川政調会長が北朝鮮批判「糖尿病の指導者だから…」 自民党の中川政調会長は20日、静岡県浜松市で講演し、北朝鮮の核実験問題に関連し、「あの国のあの指導者(金正日(キムジョンイル)総書記)は、ごちそうを食べ過ぎて糖尿病だから、(日本攻撃を)考えるかもしれない。『おいしいものが食べられなくなった。日本からウニや マグロが入らなくなった。頭に来た。やってしまおう』と思いかねない人だ」と発言した。そのうえで、「そういうことが起こらないようにするために、制裁もいいけども、(核保有の)議論をすべきだと確信している」と改めて主張した。中川氏はその後、記者団に対し、「糖尿病」発言について「国民が貧困にあえぐ一方、指導者のぜいたくざんまいはおかしいという趣旨だ」と釈明した。(読売新聞10月20日) ................................................................................. 北朝鮮の独裁者のことは措いておく。核武装の屁理屈の話もひとまず措いておく。 問題は高血糖症(俗名・糖尿病)に対する無知にもとづく暴言の方である。さすがに、 この大臣の「不見識ぶり」と「偏見」についてはネットでもさんざん指摘されてるので、 それに譲りたいところだが、それでもやっぱり云わない気がすまない。というか、 堪忍袋の底がぬけたので云う。この大臣は、 だと思う。厚顔無恥にもほどがある。釈明がぜんぜん釈明になってない。高血糖症は ぜ・い・た・く・病・じ・ゃ・な・い・ということを、このアンポンタンな大臣に説明してやれる 議員はいないのか、それともバカにつける薬はないからと諦められてるのか、呆れた。 うちの家は高血糖症の家系で、父親も母親も DM二型のキャリアだ。その親から生まれた イルコモンズも親ゆずりの体質で血糖値が 高い(血統はひくい)。親から受け継いだ遺伝 体質で、すい臓からのインシュリン分泌が あまりよくない。だからといって、疎ましいとは あまり思ってない。これは家の血筋で、高血 糖症はうちの家のイルなファミリーコモンズだ と思ってる。実家に帰ると、たいていその話に なり、血糖値を示すヘモグロビンA1Cの数値 のあがりさがりに互いに一喜一憂しあってる。 ほかの家でもそうだと思うが、あの食べ物が いいとか、この飲み物がいいとか、情報交換 しあってエンパワーメントしあっている。 「あんたの仕事は絵やものを書く仕事だから、 とにかく目をとられないようにしないとね」と いうのがうちの母親の口癖だ。たしかに、 網膜症を発症すると好きな映画もみれなく なるので、もう何年もダイエット=食餌制限 をつづけてる。仕事柄、定期的な検査もまま ならないし、なるべく薬に依存したくないので、 その分ハードなダイエット・コントロールを している。別に好き好んで、納豆かけ麦飯 ごはんやキノコご飯ばかり食べてるわけで はないのだ。高血糖者のダイエットは、美容 のためのダイエットとは違って、何かプラスを 手にいれるためのダイエットではなく、とにかく マイナスを減らしてゼロに近づけ、生きのびて ゆくためのサバイバルだ。しかもいまのところ、 特効薬はまだないので、完治というゴールは ない。日々、食欲とのバトルであり、ごちそうの 誘惑に対するレジスタンスである。これだけ 食べ物があふれてる社会でのそれは過酷な 試練の連続でもある。ものすごく、おおげさな ことをいえば、毎回、命のことを心配しながら ものを食べているので、不味いものを食べた ときはものすごくがっかりする。だから、マクド ナルドのようなものは口にしない。ときどき、 バターとメイプルシロップがたっぷりかかった ホットケーキが無性に食べたくなるが、もう 何年も口にしてない。食べたいものは無数に ある。すぐそこにある。そして、それは別に 高価なものではないし、ごちそうでもない。 誰もが食べてるありふれたものばかりだ。 だのにそれが食べれないという不条理と 苦痛。これについては、DMキャリアの 相互支援サイトなどをみてもらえれば、 その切実さがわかってもらえると思う。 いちばん悩ましいのは、人間の生の糧 であり、生に利するものであるはずの 食べ物が、自分の生をちじめたり、 苦しめたりするという矛盾で、これが いちばんこたえる。だから、自らもDM1型 である哲学者のマーク・C・テイラーが、 「ノッツ nOts」(日本語訳あり)という著作のなかで、免疫不全症とDMを 比較対照させながら、DMとは、薬と毒、是と非の"あいだ"を生きのびてゆく "終結なきプロセス"だと、その矛盾したメカニズムの持つポストモダン性を 描きだしてくれた時は、それでずいぶん救われた気がした。かたや、食餌制限 だけでなくインシュリン注射が必要なDM1型の生活はDM2型よりもずっと ずっと大変だ。すい臓細胞の移植実験や無痛針の開発もすすんでるとは聞く けども、どれもまだ試行錯誤の段階で、決定的なブレイクスルーはまだない。 そして、このDM1型の人たちの生活については、とても代弁できないので、 これもDMのサイトでその生の声に接してもらえればれば思う。それよりもさらに 胸が痛むのは、小児1型DMで、「ぜいたくざんまい」など味わったことがない 幼い子供が親から遺伝として受け継ぐもので、あの大臣は、そういう症例がある ことなど、これっぽちも知らないのだろう(また、だんだん腹が立ってきた)。 それに加えて問題なのは、今回の発言にあらわれていたような偏見と差別だ。 DMに対する無理解と偏見のせいで、DMを持ち合わせた人間たちが就職や 結婚などでどれだけ不利益をこうむっているかなど一度だって考えたことも ないはずだ。むしろ反対に「こういう無知で無情な大臣を擁する政権など、 なにをしでかすか分かったものではない。きっとろくなことを考えないにちがい ない」とそう言い返してやりたい気分だ。しかし、それでもまだ足りないので、 この暴言に対する具体的制裁案というのを考えてみた。どうせ口で云っても わからないだろうから、自分の体で思い知ってもらいたいと思う。先の釈明の なかで大臣は「指導者のぜいたくざんまいはおかしいという趣旨だ」と云ってる。 だというのなら、大臣が身をもってそれを 示すべきで、これから向こう1年間のあいだ、 大臣は「晩ごはんヌキ」にしてはどうだろうか。 そうすれば、食餌制限の苦労や辛抱が身に しみてよくわかるはずだ。後援会のパーティー だろうが、選挙区での冠婚葬祭だろうが、 外遊先での晩餐会だろうが、とにかく、 「晩ごはんヌキ」である。ついでに「禁酒」も 加えるとなおよい。もっとも、どんなに立派な ことを公約しても、それを守れないのが政治家の習性なので、「晩ごはん査察団」を つける。その査察団の給料はすべて大臣自らが自腹をきって払う。金まわりのよい 大臣にとってそれはたいした出費ではないだろうが、問題は額ではなく、自分を利する はずのものが自分を苦しめるという矛盾を味わってもらうことである。そうすれば、 DMの苦労が身にしみてわかるだろう、と、この制裁案を考えたら、ようやくそれで 少しだけ腹立ちがおさまったので、これから、朝ごはんにしよう。 「日本糖尿病学会」今年の学会のテーマ
by illcommonz
| 2006-10-22 04:57
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