「ゴースト・ダンス」
監督:ケン・マクミュラン
主演:ジャック・デリダ
音楽:デヴィッド・カニングハム
1983年 1時間40分 カラー
チャンネル4・ZDF合作
デリダってほんとうに
おもしろい発想するなぁ。
「なるほどぉ、たしかに、
云われてみれば、そうだ。
そういう見方もありだなぁ」
と、イルコモンズに一番たくさん思わせてくれた哲学のアナーキスト。権威の解体者、
常識の壊し屋、抵抗の思想家、オールジャンル対応の最強のリミックス・マスター。
死んでからますます「こういうときデリダだったらどう考えるかな?」とか、
デリダなら、まずどこに目をつけるだろう?」と思うことが多くなった。
そういう意味でデリダは、イルコモンズにとっての守護霊NO.1。
知恵と政治と遊びのポルターガイスト。いざというとき、いちばん
たよりになるスピリチュアル・アドバイザー、いつも頭のなかで
変なステップで踊ってる。ときどき肩にとまって、こう、ささやく。
「どこへいってもまず「その他」からはじめよ」。
このレッスンが最も威力を発揮するのが中古レコード屋と古本屋。
いいものはたいてい「その他」のケースや箱の「隅っこ」に眠ってる。
これは映画も然り、美術も然り。そして「残りものと余りものには
福があり、遅れてやってくるものには幸い(チャンス)がある」。
これもデリダから教わった大切なレッスンのひとつ。というわけで、
今日の一言は、「書を捨て、亡霊を連れて街に出よ」。