
マルキスト人類学者の
マーシャル・サーリンズが
出版請負人をつとめている
「プリッキー・パラダイム・プレス」
という出版社がアメリカにあって、
こないだ以文社から翻訳がでた
ディヴィッド・グレーバーの
「アナーキスト人類学のための
断章」は、この出版社から
出ていた本だったのですが、
(ちなみに、サーリンズは、
シカゴ大でのグレーバーの
指導教官だそうです)同じく、
この出版社から本を出してる
アカデミスト人類学史家の
ジェイムズ・クリフォードが
来月、来日するそうです。
国際文化会館アイハウス・アカデミー3
ジェイムズ・クリフォード「複数の伝統的未来~グローバル化時代における
先住民運動の新たな展開と歴史的叙述をめぐる諸問題」
2006年12月13日(水)19:00-20:30
国際文化会館講堂 一般1,500 学生1,000 *同時通訳あり

クリフォードは
「文化人類学解放講座」でおなじみの
←この人で、イルコモンズも含め、多くの人類学者に、
いわゆる「ライティング・カルチャーショック」を与えた
人物だといえば、話がはやいと思います。それと、念の
ため書いておきますが、彼は、アナーキストではなく、
アカデミストで、文化人類学者ではなく、文化人類学史家
ですので、そのへんどうか間違いなく。
当日の講演がはたしてどういう話になるのかはわかりませんが、グレーバーが
ローレン・レーヴの警告を引用して述べてるように、グローバリズムの問題に
ついて人類学者が何か語ろうとすると、きまってそれはアイデンティティの話に
なってしまい、「人類学者は用心しないと、世界アイデンティティ生産機械の
歯車のひとつになってしまうだろう」という問題があるので、そのことなんかを
頭に置いて、「本当にそうなのかどうか」を確かめてみると、おもしろいかも
しれません。あるいは、この話は「ハイセオリーか?ローセオリーか?」という
角度から聞いてみてもいいかも。