
イルコモンズのくま好きの理由は母親がつくった創作童話にあるらしい。
それは、りすのこどもを主人公にしたロード・ストーリーで、土方久巧の
「ぶたぶたくんのおかいもの」にちょっと似てる。だいじなにもつをなくして
泣きべそをかいてた、りすぼうやを、くまがたすけてくれるのだ。
「ぶたぶたくん」のおはなしとのちがいは、「おかいもの」ではなく、
「おつかい」だということ。「きゃらめる」はでてこないけど、「ぷりん」がでてくる。
たのむと「ホットケーキ」にしてくれることもある。ハッピーエンドの物語のおわりに、
今なら著作権法に抵触するような登場人物が引用される、そんなちょっとPOPな
おはなし。絶対に売れないものがひとつあるとしたら、その手書き原稿がそれかな
と思った。それは「非常持ち出し袋」の中にしまってある。