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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼文化人類学解放講座:オープン・テストの問題と結果
▼文化人類学解放講座:オープン・テストの問題と結果_d0017381_4133967.jpg更新するのがすっかり遅れてしまいましたが、
前期のテストのまとめです。

今年ももうじき後期のテストです。
後期もがんばってみてください。

............................................................................................

【説明】
今年(2006年)も大学から「試験中の不正行為未然防止について(お願い)」の
通達がありましたので、「文化人類学解放講座」の今年の夏のテスト(解放模試)の
問題は今年もまたこれです。これからもずっとこれです。

▼文化人類学解放講座:オープン・テストの問題と結果_d0016471_432618.jpg
【問題】
前期の講義で見た映画や資料をもとに、自分で回答できる問題を自分でつくり、
その問題に自分で答えを出し、それを自分で評価してください (参照物すべて可、
グループでの話し合い可、PC・携帯・電子辞書などの使用オール可)。

▼「答案用紙」 pdf版

よって今回も「不正行為」はゼロ(無理)です。このテストは、自分がどこまで
インディペンデントに、かつ、フリーになれるかを自分で試す模試(テスト)です。

▼文化人類学解放講座:オープン・テストの問題と結果_d0016471_2532544.jpg【試験中】
知は共有物です。知識は
いくら人に与えてもへらず、
分け合えば分け合うほど
豊かになる共有資源です。
提出された答案はすべて
おもてをむけてテスト中の
教室で公開し、自分ひとり
では思いつかなかったような
答えやその表現のしかたを
互いに共有しあい、みんなが
よりよい答案をつくれるように
しました。

【BGM】
Wunder "Look for Yourself"ほか

【結果】(下図:前期の期末試験の答案)

▼文化人類学解放講座:オープン・テストの問題と結果_d0016471_303451.jpg
知識の共有と協働からできた答案です。文字だけの答案用紙は、それがたとえ、
どんなによく書けていても、1メートル離れて見ると他の答案と区別できませんが、
これらの答案は、1メートル離れてみても、それぞれに個性を表現しています。
人に何かを伝えようとする時は、内容もさることながら、表現の方法も大事です。
どんなにすばらしい内容でも、それを伝える媒体や表現がともなわなければ、
人の目にはとまりません。遠くまで届きません。伝えたい相手に伝わりません。
情報にあふれた社会では特にそうです。また、なにかを表現するにはそれをみる
他者についての想像力が必要です。文化人類学は他者を理解する学問ですが、
しかしその前にまず、他者の存在を想像できなければ、理解もはじまりません。
「想像力よ一歩前に、理屈はあとからついてこい」。これがこの講義のスローガン
です。後期の講義では「グローバリゼーション」について学びます。そこでは
さらにもっと想像力が必要になります。さまざまなドキュメントフィルムをみて、
テレビやマスメディアが報道しない「グローバリゼーションのうらがわ」を知る
だけでなく、グローバリゼーションが地球に与えているダメージや、人類とその
未来(特にこどもたち)に及ぼしている災いとその苦しみを想像することが大事
です。知識だけでは共感も行動もうまれません。たとえば、スウェットショップと
よばれる工場では、第三世界・第四世界のこどもや女性たちが、ひどい労働
条件と環境のもとで、驚くほど安い賃金(時給50円未満)で働かされていて、
それがグローバリゼーションをささえています。そうした、いま・そこにいる・
見えない他者たちの存在を、ただ知るだけでなく、その苦しみやつらさや
みじめさを想像し、それに同情し、そうした不正に対してたちあがった人たちに
共感を感じるような想像力と情動を身につけ、それを表現する方法を学ぶことが、
後期の講義の目的です。

ただひとつ注意しなければならないのは、大胆でユニークすぎる想像力は、
それを理解できない人たちからの誤解をまねきやすいということです。
たとえば、このヴィデオはそれを教えてくれています。

(教材) ▼公共広告機構 「黒い絵」
http://www.youtube.com/watch?v=SNv4hBbu8K4
▼文化人類学解放講座:オープン・テストの問題と結果_d0016471_3552088.jpg
黒い生徒 「は~い、先生、異議がありま~す。心にうかんだことをそのまま
書くのではなく、誰かに伝えるための表現方法と場が必要なんです」
白い先生 「誰からそんなことを教えられたのですか?」
黒い生徒 「いるこもんずで~す」

というわけで、自分の想像しているものを、ただしく表現し、他者にただしく伝達し、
なおかつ、他者と分かち合うための方法や手段を身につける必要があるのです。
この「黒い絵」のこどもの不幸は、自分が想像したものを、誰にも伝えず、自分
ひとりだけでやろうとしたことで、自分ひとりでやること自体はわるいことでは
ありません。本当の不幸は、想像力を表現し伝達し分かち合う方法や手段を
教えてくれる大人がいなかった(あるいは授業がなかった)ことではないでしょうか。
by illcommonz | 2006-11-29 04:16
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