
「ものによっては本編より予告篇の方が好きなこともある」、昨年のゴダール映画の
講演のとき、たしかそう話しました。たとえば、オーソン・ウェルズの「市民ケーン」
(*映画なのにラジオ番組仕立てになってる)、ヒッチコックの「サイコ」(*ヒックコックに
よるベイツ・モーテルの案内つき)、ゴダールの「はなればなれに」(*NGシーンあり)、
キューブリックの「シャイニング」(*これはものすごく怖い)など、予告篇のなかには
本編の監督自身が監督した特別篇があり、そのなかには名作もあって、そういうのを
見るのは好きなのですが、最近の映画の予告篇は、なんというか、、、、見てると、
と云うより、聞くだけでヘトヘトになります。どういうことかは
コレを聴いてみて下さい。
「ショックトレイラーマッシュアップトラック」(1分26秒 mp3)
アップルのサイトにある、二つの最新映画の予告篇の音をマッシュアップしました。
なんの映画かは書きません、ブラインド・テストです。この音をきいて、何の映画の
予告篇かズバリあてることができたら相当な映画マニアです。マッシュアップしたもの
にはバーナード・ハーマンの影響(「サイコ」のアレ)がみてとれますが、それはさておき、
このどーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!
というのは、一体いつからはじまったのでしょうか。最近ではパニック映画だけでなく、
「SAYURI」のような映画の予告篇にも、このどーーーーーーーーーーーーん!が
はいってて度肝をぬかれます。なんとなく「ブレードランナー」が公開されたあたりに
発明された手法のような気もしますが、予告篇を見てみると、そうでもないようです。
いずれにせよ、これはデジタル・サンプラーとドルビーシステムの進化のプロセスの
どこかで、オーケストラヒットの発展形として現われてきたものだと思いますが、このどーーーーーーーーーーーーーーーん!の呼び名や来歴についてご存知の方が
いらしたら、ぜひ教えてください。
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(おまけ)
【イルコモンズ特薦・劇場予告篇名作集】
▼スタンリー・キューブリック監修「シャイニング」予告篇
http://www.movie-list.com/s/shining.html"
▼オーソン・ウェルズ監修+声「市民ケーン」予告篇
http://www.movie-list.com/c/citizen-kane.html
▼アルフレッド・ヒッチコック監修+出演「サイコ」予告篇
http://www.movie-list.com/p/psycho1960.html
あと、「時計じかけのオレンジ」と「博士の異常な愛情」の予告篇もいいですよ。
http://www.movie-list.com/c/clockworkorange.html
http://www.movie-list.com/d/dr-strangelove.html
いまだに世界は原子力エネルギーを持つことをやめられないようなので、
「博士の異常な愛情」は本編をもう一度見なおしてみるのもいいかもしれません。