「以前は終わりに突き進んでいく感じが好きだったけど、今は命とかが流れて
いく上で生じる”抵抗する何か”にすごく惹かれているところがあって。そこに
美を感じたりとか。それが、今自分の中で表現したいものの中心にきている」
(ワールズ・エンド・ガールフレンド)
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world's end girlfriend "Hurtbreak Wonderland"プレスリリースより
まったく同感。
ニール・ヤングが「Living with War」で歌ってみせた、日々くりかえされる
「心の中の戦争」をよりリアルにかつ残酷に描いた同時代のサウンドトラックで
あると同時に、この戦争のあとに、やがて世界がふたたび向かってゆくはずの
場所への前奏曲。強化されたホーンセクションには、窒息した世界がふたたび
息を吹きかえし、吸った息を吐きだしてゆく物語を感じる。「百年の窒息」後半の
爆撃音から以降のドラマ展開は壮絶の一言。ひらいてもひらいてもどこにも出る
ことができない「ドアの迷宮」からはじまる後半部もすごい。好みからいえば、
今回のアルバムがおそらく最高傑作。「誕生日抵抗日」、これにも深く共感。
ゴダールいわく「こどもの誕生とはすなわち抵抗である」。抵抗する何かから、
もうひとつの世界がはじまるという「ものがたり」がふたたび、思いもよらぬ
ところから語りはじめられたような感じがした。ワールズエンドがおわりの
おわりのおわりのおわりのはてに、ついに「はじまり」を語りはじめたことに
感動。
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ワールズエンドガールフレンド「百年の窒息」(mp3)
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(おまけ)
▼世界の終わりとガールフレンド・ワンダーランド(「イルコモンズのふた」より)
http://illcomm.exblog.jp/3036474/
▼うそだと思うなら、きいてごらん(同上)
http://illcomm.exblog.jp/3267458/