はじめに、ふた、ありき
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カート・ヴォネガット(1922-2007) ▼小説家のカート・ヴォネガット氏が死去 米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によると、米作家で1960―70年代の若者をとらえた対抗文化(カウンターカルチャー)の旗手、カート・ヴォネガット氏が11日、ニューヨーク市内で死去した。84歳。関係者によると数週間前に転倒した際、脳を損傷し治療を続けていた。1922年、ドイツ系移民の子としてインディアナポリスで生まれた。第2次世界大戦で従軍中にドイツ軍の捕虜となり、連合国側によるドレスデン爆撃を体験。これが後に作家としての原体験となった。ユーモアとペシミズムが織りなす独特の語り口で、米文化の衰退や人間の存在の意味を問う作品を著した。その作品群により、ベトナム戦争に悩む若者たちにとって文学的な偶像となった。52年の「プレイヤー・ピアノ」で登場、ドレスデン体験に基づいた69年の「スローターハウス5」は代表作の一つ。ほかにSFの「タイタンの妖女」や「猫のゆりかご」などがある。(共同)(2007年4月12日スポーツ報知) ------------------------------------------------------------------- 世界でいちばん好きな作家がいなくなった。2番目に好きな作家はいない。 それだけ書けば十分だと思う。「そういうものだ」という云うにはまだもうすこし 時間がいる、そういうものだ。さよなら、ヴォネガット、ありがとう、ヴォネガット。 以下、感謝をこめて引用。 【トラルファマドール式弔辞】 「わたしはトラルファマドール星人から多くのことを学んだが、なかでもいちばん重要なのは、ある人が死ぬとき、その人は死んだように見えるにすぎない、ということである。過去では、彼はまだ生きているのだから、葬儀の場で泣くのは愚かしいことだ。過去、現在、未来のすべての瞬間は、常に存在してきたのだし、常に存在しつづけるのである。たとえばトラルファマドール星は、ちょうどわれわれがロッキー山脈をながめるのと同じように、すべての異なる瞬間を一望のうちにおさめることができる。彼らにとっては、すべての瞬間が不滅であり、彼らはそのひとつひとつを興味のおもむくままにとりだし、ながめることができるのである。一瞬一瞬は数珠のように画一的につながったもので、いったん過ぎ去った瞬間は二度ともどってこないという、われわれ地球人の現実認識は錯覚にすぎない。トラルファマドール星人は死体を見て、こう考えるだけである。死んだものは、この特定の瞬間には好ましからぬ状態にあるが、ほかの多くの瞬間には、良好な状態にあるのだ。いまでは、わたし自身、だれかが死んだという話を聞くと、ただ肩をすくめ、トラルファマドール星人が死人についていう言葉をつぶやくだけである。彼らはこういう、「そういうものだ(So it goes)」。 【エリオット・ローズウォーターからの弔電】 「こんにちは、赤ちゃん。地球へようこそ。この星は夏は暑くて、冬は寒い。この星はまんまるくて、濡れていて、人でいっぱいだ。なあ、赤ちゃん、きみたちがこの星で暮らせるのは、長く見積もっても、せいぜい百年ぐらいさ。ただ、ぼくの知っている規則が一つだけあるんだ、いいかい。なんてったって、親切でなきゃいけないよ」 【キルゴア・トラウトによる弔鐘】 「チリンガ・リーン!」 【ヴォネガットへ】 「ぼくはくそったれな --------------------------------------------------------------- [YouTube] ▼追悼ビデオ「そういうものだ」 http://www.youtube.com/watch?v=atABhlMLYvU And you can have this heart to break And so it goes, and so it goes And you're the only one who knows. うた:ビリー・ジョエル「And So It Goes」 ▼カート・ヴォネガット・ドキュメント番組 http://www.youtube.com/watch?v=F5EqOiye7zI http://www.youtube.com/watch?v=M8e4SjzcoAI http://www.youtube.com/watch?v=Uf6WQs1WnHg http://www.youtube.com/watch?v=H-dwAwsmQF4 http://www.youtube.com/watch?v=nznHJFjfZ74 http://www.youtube.com/watch?v=x3ikvCT3858 http://www.youtube.com/watch?v=ahOo41WiIeY http://www.youtube.com/watch?v=zGK26wL3E7s ▼米軍によるイラク空爆作戦についてのヴォネガットのコメント(03年) http://www.boingboing.net/2003/05/14/vonnegut_on_shock_an.html ▼ヴォネガットによる「スローターハウス5」の自作朗読(5分47秒) http://archive.salon.com/audio/fiction/2001/02/20/vonnegut/index.html ▼TV番組「ザ・デイリーショー」でのヴォネガットへのインタヴュー(05年) http://onegoodmove.org/1gm/1gmarchive/2005/09/kurt_vonnegut_o_1.html ▼オハイオ州立大学での講演「ブッシュは・・・」(06年) (映像) http://www.youtube.com/watch?v=u_kj-i8Qcpw (要約) http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/ ............................................................................. ▼人間にもっとも絶望しているはずの作家が(「イルコモンズのふた」より) http://illcomm.exblog.jp/4206776 ▼文学の効用(同上) http://illcomm.exblog.jp/4165023/ ▼チリンガ・リーン(同上) http://illcomm.exblog.jp/4305331/ ▼チリンガ・リーン・リーン(同上) http://illcomm.exblog.jp/4305365/ ▼チリンガ・リーン・リーン・リーン(同上) http://illcomm.exblog.jp/4305408/ ▼チリンガ・リーン・リーン・リーン・リーン(同上) http://illcomm.exblog.jp/4305429/ [半世紀後の結論]同じ年齢で没したことからも明らかなように、キルゴア・トラウトは、 ヴォネガットそのものだった。そして、ヴォネガットが文化人類学者になりそこねて、 SF作家になってくれてよかった。二〇世紀のこの喜ばしき失敗に、ハイホー。 「20%ヴォネガット」▼イルコモンズプロフィール(「mixi 」より) http://mixi.jp/show_profile.pl?id=1238161 ▼「文化人類学者になりそこねた人たち」の肖像(「文化人類学解放講座」より) http://illcommonz.exblog.jp/307630/
by illcommonz
| 2007-04-12 23:23
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