はじめに、ふた、ありき
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【概要】
エコ・アクティヴィスト支援のベネフィットCD「Burn It」と、DJ Rupture とのカップリングCD 「Secret Google Cheat Codes/The Mud,The Blood& the Beer」のプロモーション・ ツアーで日本に滞在していた Filastine* が、「素人の乱」の「一揆の呼びかけ」に応え、 東京都杉並区にあるJR中央線・高円寺駅前で路上ライヴを行った。 *Filastine こと Grey Filastine は、1999年のシアトルでの「WTO閣僚会議中止行動」 (通称「シアトルの乱」)の際に、闘う路上楽団「ジ・インファーナル・ノイズ・ブリゲード」(通称 INB、2006年解散)を率いて、「シアトルの乱」のなかでも最も激烈な攻防が展開された 「ブラック・ブロック」でのアナーキストたちによる抗議行動に参加*。ドラムとホーンによる バテリアで、アクティビストたちの抗議行動を後方及び側面から支援した。以後、00年の プラハ(チェコ)、03年のカンクン(メキシコ)等でのグローバル・ジャスティス・ムーブメント の非暴力的直接行動に参加。「INBが来なければデモがはじまらない」といわれるほど 世界中のアクティヴィストたちからの信望を集める。その時の様子は、ドキュメント映画 「ストリートの年」(カスカディア・メディア監修 00年)「ショウダウン・イン・シアトル: WTOを震撼させた5日間」(インディメディア監修 00年)「キロメートル・ゼロ」(ビッグ ノイズフィルム監修 03年)などに収められている。 *「どのようにしてINBははじまったのか?」というIRA(成田圭祐)のインタヴューに、 Filastine はこう応えている。「WTOがシアトルに来ることになり、自分のスキルを 実際に試す絶好の機会を得たと思った。たしかにグリーン・アナーキストたちが核と なっていたが、我われは THE INFERNAL NOISE BRIGADEには、より広い範囲 からの人びとの参加を望んでいたため、主義をあいまいに保つようにした。ムーブメ ントはその時、理論的な派閥ではなく、さまざまな危機や権力と立ち向かうための サウンドトラックを必要としていた。」(IRA編「Expansion of Life 15」より) ------------------------------------------------------------- 【見聞録】 「素人の乱」による一揆の街宣行動は定刻どおり17:00から開始され、20:00まで 続いた。トラックに積んだサウンドシステムにのぼったFilastine の腕には杉並区の 選挙管理委員会から支給された「選挙運動員」の腕章がついていた(余談:ライブが はじまる前、「これは何か?」と問うFilastine に「選挙アクティヴィストのパッチだ」 と応えると「そいつはイイ、これはもらっていいのか?」という返事が返ってきて、 みんなで笑った)。当初、Filastine のプレイは、ワンセット30分の予定だったが、 二度のアンコールにこたえて、3セット90分を超えるプレイを行い、Filastine の モバイルPCのハードディスクにメモリしてあった音源がすべて使いつくされたとき、 プレイが終わった。プレイ後のFilastine のコメントは「ははは、疲れた、しかし、 ナイスだった」、そして「民衆のエネルギーに驚かされた」。だった、という。 かたや、その男は南口でのライヴの最中にやってきた。「仕事で来れない」と言ってた はずの男がふらりと現場にやってきた。人の言うことを聞かないその男は、自分の言う 事も聞かないらしい。その男とは、実在のヒト、ECDである。何をしにやって来たかなど 聞くまでもない。ラッパーが現場に手ぶらでやってくるはずがない。ECDは持ってきた くしゃくしゃのレコード袋の中から自分のマイクをとりだし、自分でサウンドシステムに プラグインした。「ブブゥゥゥウウンン、ワン・ツー、ワン・ツー、OK!」の、テストぬきで、 コールがはじまり、レスポンスがかえる。誰にも真似のできない独特のつんのめる リズムで巨体が路上を跳ね、路上がゆれた。Filastine はすぐにヴォーカルなしの トラックにきりかえ、こんな感じの民衆蜂起系ブレイクビーツの上に、こんなリディムが 次々と炸裂した。 ポッケにロープ、ロック、石ころ、これだけありゃ、何でもできる、 一発天国、ピクニック、連れてってやるから、ビクビクすんな ポッケにロープ、ロック、石ころ、いつもしのばせてうろつく、 こいつが大人のテクってもんだ。こいつで紀元前、石器時代、 つれてってやるから、ビクビクすんな 「ロック・イン・マイ・ポケット」(feat.Filastine) なんど確かめても残高ゼロ、 それでも生きてるリビング・デッド 隣の部屋のゾンビ・イズ・ミー 「ランド・オブ・ザ・デッド」(feat.Filastine) 言うこと聞くよな奴らじゃないぞ 言うこと聞くよな奴らじゃないぞ 職質やめて、殺すな、殺すな 「言うこと聞くよな奴らじゃないぞ」(feat.Filastine) サウンドデモのアンセムが一揆のアンセムになり、高円寺が燃えた。「殺すな」の コールの意味が別の意味を帯びて、よりリアルなコールとなってよみがえった。 実はこの前日の夜、新宿のIRAで、ECDをゲストに迎えたFilastineのトラベリ ング・レコーディング・セッションが行われていたので、息はぴったりである。 サウンドシステムが北口に移動してFilastine の3セット目が終わり、音がやんだとき、 MC・ヒカル(高円寺ニート組合)が、ECDにラブコールを送った。「アカペラでやって!!」 もちろん「DJは君の期待を裏切らない」。エクスキューズなしに、速攻プラグインして、 アカペラで「言うこと聞くよな奴らじゃないぞ」がはじまった。そこに居合わせたかつての T.C.D.C.のドラムがやけくそなリズムをデリバリーする。 言うこと聞くよな奴らじゃないぞ、 働かねえぞ、働かねえぞ、 職質やめて、職質やめて、 言うこと聞くよな奴らじゃないぞ 「言うこと聞くよな奴らじゃないぞ(アカペラ)」(feat.素人の乱+T.C.D.C.) それは遠くからみると、こんな感じだったらしい。説明なしでみたら、ほとんど一揆 そのものだが、至近距離でみたそれは、これとはまた景色が違っていて、それは もっと解放的で、祝祭的だった。それはいずれ素人の乱による公式ドキュメント・ ムービーでみてみたい。その後、DJ・トラメガ(高円寺ニート組合)によるプレイと 赤羽からのラッパー、候補者・松本(高円寺ニート組合)によるスピーチアクトが つづき、「家賃廃止デモ」の後の高円寺駅前での「原住民セッション」を彷彿させる ような土着的なもりあがりをみせ、この合法的な選挙/占拠は、選管法が定める 8時ちょうどに散会した。その後、RLLによる高円寺一揆のベネフィットTシャツが 配布されるなど、ほかにもいろいろおもしろいことがあったが、今は措く。ともかくも 初日としてはまったく申し分のないばか騒ぎだった。大切なのは、こういうばか騒ぎに よって、見えないものや存在しないことにされてしまってる人びとのいろんな情動や 思いを目にみえるものにすることだ。「こういう社会にしたい」というビジョンを、より リアルなかたちにし、その空気を共有することだ。これはまだほんの地ならしに しかすぎない。一揆は、まだ、はじまったばかりだ。(つづく) 【参考映像】 ▼ECD "言うこと聞くよな奴らじゃないぞ" @高円寺駅前 2007.4.15 http://www.youtube.com/watch?v=8RtNZXBk8cs ▼高円寺駅前大騒ぎ Day 1 (2007) http://www.youtube.com/watch?v=vlF6NcbpYDk ▼infernal noise brigade!!! http://www.youtube.com/watch?v=bLeIiGoNhCc ▼infernal noise brigade, ny, rnc protests 2004 http://www.youtube.com/watch?v=bABeRr4Kjv8 ▼T.C.D.C. http://www.youtube.com/watch?v=XpXoCtmq_RM
by illcommonz
| 2007-04-16 19:11
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