はじめに、ふた、ありき
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今年の「文化人類学解放講座」では、「異文化誤解の映画史」をすっとばして、
「文化人類学者になりそこねた作家たち」による「オルタナティヴな人類学」とその 可能性についての話に時間を割きました。今年は「人類学者になりそこねた作家」 としてアーシュラ・K・ル=グウィンとこないだ死んだヴォネガットの紹介に多くの 時間を割いたために、残念ながら紹介しきれなかったけど、すごく気になってる 作家がいます。ジョゼフ・コスースやスーザン・ヒラー、ローター・バウムガルテン など、文化人類学的な手法を使った作品づくりをする作家たちから影響をうけた 現代美術家で、80年代にロンドン大学のSOASで社会人類学を専攻し、博士号 を取得した後、また作家にもどって、いまは、キュレーターとしても活動している クレメンティーヌ・デリスです。アフリカニストであったデリスは「AFRICA95」とか こないだ森美術館に巡回してきた「アフリカリミックス」なんかにも関わってますが、 気になるのはそれではなく、ここ数年、デリスが自分の表現/評論活動のメディア としてきた「メトロノーム」という自主制作雑誌と「フューチャーアカデミー」という 教育プロジェクトです。最初の頃の「メトロノーム」は、デリスが得意とするフランスの シュールレアリズムと民族学との関係などについて論じた評論雑誌的なもので、 どこかバタイユの「ドキュマン」を意識した感じのものでしたが、今年の夏にドイツ で開かれる「ドクメンタ」のためにつくられた号は、これまでとはうってかわって、 アクティヴィスト・ライクなファンジンのようなものに様変わりし、来たるべき世界で 生き延びてゆくためのさまざまなD.I.Y.の知識を、アフリカなどの暮しの知恵から 学ぶという、そういう形態と内容になっています。百聞は一見にしかず、それは こういうものです。 「フューチャー・アカデミー」の方もこれと同様、同時代の世界のさまざまな地域の 文化から「もうひとつの世界のライフスタイル」を模索する学習と教育実験の場と して行われているようです。こうしたデリスの活動は、文化人類学者になりそこねた アフリカニストで、いまはイルコモンズ・アカデミーを主な表現活動の場にしている イルコモンズにはすごく気になる存在なので、来年の講義ではこのジンをとりあげ、 アートと人類学とアクティヴィスムと教育を連結させた、オルタナティブな人類学の 可能性について講義できたらと思っています。 [追記] ちなみに「メトロノーム」の次の号は日本をとりあげた、ものすごく分厚い 本になるらしく、日本での取扱店はナディッフなんだそうですが、表参道の店が 閉店してしまったので、どこにいけば手にはいるのでしょうね。もっともその号は 値段もずいぶん高そうで、イルコモンズのおこづかいでは買えそうにないですが。 ともあれ、こういう本が立ち読みできるナディッフがなくなってしまったのは残念です。
by illcommonz
| 2007-06-01 04:02
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