「現在、フランスでちょっと人気な
「Manifs de droite 右翼のデモ」
というのをイルコモンズさんに知って
頂きたく筆を取らせて頂きました。
「intermittantsと言われている、
パートタイム(?)な芸術家達が
やっている活動で、右翼のコスプレを
して右翼の主張をしながらするデモ、
というそれだけの活動なんですが、
小粋なエスプリがきいていて面白い
です」。
▼Manifs de droite
http://a360.typepad.com/manifsdedroite/
と、pantagruel さんから紹介してもらいましたので、紹介します。フランスでデモ、
といえば、みんなで手をつないで路上いっぱいにひろがる「フランス・デモ」が有名で、
60年代にはフーコーとかサルトルとかもやってましたが、最新のフレンチ・デモは、
シチュアシオニスト的なデトーナメントの伝統に回帰したようです。右派のサルコジが
政権をとったことだし、これからますますこういう「右派いじり」がふえてくるでしょうね。
政治的な信条綱領の違いもさることながら、右派と左派のいちばんの違いはなにか、
といえば、左派はマジメな右派や体制をからかうのが好きで、その逆はあまりない、
ということで、実際、右派が左派のコスプレでデモをするというのはちょっと考えにくい
ことだなと思いました。その点からすると、イルコモンズは、生まれながらの左派かも
しれないし、そもそも"なりそこね"とはいえ、文化人類学者の仕事は、自文化中心主
義やエスノセントリズムを相対化してみせることだし、現代美術家の仕事は、世間の
常識や権威をひっくり返してみせることなので、それからするとイルコモンズが左派
なのは理の当然で、政治的信条はさておき、その職分から考えても、二重、三重の
意味で左派だと思う(というか文化的極左かも)。それに、考えてみれば、ゴダール、
岡本太郎、ヴォネガット、バロウズ、ル・グゥイン、文化人類学者になりそこねた作家
たちはみんなそろって左派なので、もはや逃れがたい宿命かも。
[追記] Manifs de droite のサイトをみて、思い出したポスターがあるので、
今度、時間があるときに画像をアップします。