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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼ちびこもんずと、かつて、ちびこもんずであった人たちへ
▼ちびこもんずと、かつて、ちびこもんずであった人たちへ_d0017381_17135937.jpg[夏休み推薦図書]

「ちびこもんずたちのための童話と、
寓話を信じられなくなってしまった
大人たちのための
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[ぶん] おざわけんじ
[らくがき] ちびこもんず
[へんしゅう] いるこもんず

[つかいかた]
いまからはじまる、このお話をよんで、
もし、とちゅうで、わからないことや
ピンとこないことがあったときは、
★印をクリックしてみてください。

では、はじまり、はじまり、

(でも、なんの?)


......................................................................
この丸い星の、「豊かな」国々でも、「貧しい」国々でもないところに
「灰色」が棲んでいました。灰色は、人ではありません。

灰色は「大きなお金の塊」と呼ばれるものの中に棲んでいました。
そのお金の塊を、どんどん大きくすることだけが、灰色の考えていることでした。

灰色は、すべての人のする、すべてのことを、急いで
「大きなお金の塊」につなげてしまおうとしていました。

このころ、「大きなお金の塊」は、この星の四倍もの大きさになっていました。
あまり大きいので、もう、今までのように、ただ品物を売ったり、
国と国のあいだで両替をしているだけでは、
大きくし続けることができなくなっているのでした。

灰色には、新しい計画が必要でした。

同じ品物があふれかえってしまった後、それでもお金の塊を大きくするために、
灰色が最初にしたことは、品物は変えずに、品物がつくられる仕組みを変えることでした。


灰色は、品物がつくられる仕組みを変えて、工場を、「豊かな」国から
「貧しい」国々へうつしました。そのために、「豊かな」国々の若者たちのための、
きちんとした働き先は、すっかりなくなってしまいました。

そうやって灰色の計画のために、「豊かな」国々から働き先がなくなったのに、
灰色は、話をさかさまにして、「若者がなまけている」といって、責任を若者たちに
なすりつけることにしました。

夕方のニュースから、「なまけている若者」というイメージが、
たっぷり流されはじめました。憶えやすい流行語がつくり出されて、くりかえされて、
人びとはどんどん、本当に若者たちがなまけているような気になっていきました。

そうやって灰色が「貧しい国々」にうくした工場では、
同じ品物が安い値段でつくられるだけではありませんでした。
灰色は、暴力が大好きでした。だから、「貧しい国々」に工場をうつす時は、
自分が思いっきり暴れまわれる地域をつくって、そこへうつしました。

ある「貧しい」国にうつった工場では、子どもを働かせて、
子どもがそこらを歩き回らないように、足が地面につかない高い椅子に乗せて、
手だけで作業をさせました。

工場で働くことに希望をもっていた、ある「貧しい」国の若い女の人たちは、
一日十四時間、胸を突き飛ばされながら働かされて、
頭が毎日ぼーっとするくらい疲れてしまって、考えることもできなくなって、
窓のない小部屋に八人も詰め込まれて、養鶏場の鶏のように眠りました。
お父さんやお母さんに会うこともできません。
約束された金額の給料は払われなくて、食べるものは、少しの米と豆しか
買えません。そして、子どもができたら、出産ぎりぎりまで働かされた後、
工場から追い出されるのでした。

近所の安売りの店で売っている品物が、そうやって作られているのを知った
「豊かな国」の人たちが、灰色に抗議しました。

灰色は「そんなこと、いまどきするわけないよ」といって、
さかさまにしてひげの人の顔で、笑って否定するのでした。

(つづく)

小沢健二 「うさぎ!」 第一話より
http://ecologyofeverydaylife.org/usagi/index.html
....................................................................................
(参考)「文化人類学解放講座YouTube版」
http://anthropologix.blogspot.com/
by illcommonz | 2007-07-28 17:50
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