![▼[NIN] 提言 「若者よ、かっぱらえ!そして、ただでくれてやれ!」_d0017381_17445254.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200709/20/81/d0017381_17445254.jpg)
▼
「NINE INCH NAILSの
TRENT REZNORが、ファンに対して
自身のCDを盗むよう提言」
「現在ワールド・ツアー中のナイン・インチ・ネイルズだが、そのフロントマンであるトレント・レズナーが、9月16日にオーストラリア・シドニーで行った公演中に、自身のCDを盗むようファンに要求して物議を醸している。まず背景として、彼らの現時点での最新アルバム『Year Zero』が、オーストラリア国内では他国に比べて高い価格(34.99豪ドル=約3,400円)で販売されていることがあり、トレントは以前からこの状況についてレーベル側の対応に苦言を呈していた。彼はライヴ中に、それらの事態が改善されたかを観客に向けて問いかけ、<No!>の言葉が返ってくると「どうしたら良いか知ってるかい? (CDを)盗めばいい。盗んで、盗んで、盗みまくるんだ。それで、友達みんなにくれてやりな。盗み続けるんだ」と発言。この過激なアジテーションによって、会場は一気にヒートアップしたようだ。トレントはこの件の他にも、シングルのリリース形態などに関して、所属レーベルであるユニバーサルのやり方に以前から反発しており、年内に発表予定の『Year Zero Remixed』リリース後は、インディーでの活動にシフトするのではないかと噂されている」。
うそだと思うなら、この映像をみてみるといい。
▼"Steal it!" - Trent Reznor is honest and logical.
http://youtube.com/watch?v=TJ5iHaV0dP4
アビー・ホフマンをはじめ、これまでいろんな作家やアーティストたちが、こうしたギフト・エコノミー(贈与経済)の提言をおこなってきたが、映像でそれをみたのはこれがはじめてだと思う。"steal it"ということばが、ごく自然に、いささかの躊躇もなく、ポロリと、しかも、すばらしいタイミングで、トレントの口をついてでてきたその瞬間のすばらしさは、映像で見ないとわからない。それに続く「キープ・オン・スティール」の一句には、失われたロックの魂が息をふきかえしているのを感じる。贈与の一撃はいつも思いがけない時間に思わぬところに現われる。返済計画や代償を求めないそれには、スケジュールやプランがない、クレジットもない。創始的な贈与の一撃は暴力的だが、それには無償の愛(=マナ)が宿っている(市場経済にはそれがない)。ついでいうと、「素人の乱」を観て、「金返せ」とか「市場価値は?」と問う元・団塊のネオリベには、永久に理解できないだろう(←イルコモンズはまだ怒ってる)。