「なんだ、この店ボッタクリじゃねえか!どうも怪しいと思った!
覚えてやがれ、こんちくしょう!」の合言葉を言っていただければ、
「なにを、てめえ!言いがかりつけやがったらただじゃおかねえぞ!
表へ出ろい!」と、お返ししますので、「なんでえこのイカサマやろう!
こんなしみったれた店、火の海にしてやるからな!」の合言葉で
900円に!コレはお買い得ですので、ぜひご活用ください。
(
松本哉「高円寺フェス2007」広告宣伝文より)
まるでトロブリアンド諸島のクラ交易を彷彿させるやりとりである。ことば使いは乱暴だが、モノを売ったり買ったりするというのは、本来、こういうことのような気がする。こういう「気勢を張る行為」の応酬が、モノ自体への悪しき執着心を祓いとばし、それを人間同士の交流にするのだ。商品経済のマーケットにショッピングはあってもトレードはない。ショッピングに欠けているのは、こういう互酬的なコミュニケーションである。地域通貨もいいが、本当にとりもどされなければならないのは、こうしたトレードを通じて人が「与え手」となり「受け手」となって交流することだと思う。アフリカやパキスタンでみたマーケットが活気に満ちていたのは、そこにモノがたくさんあったからではない。その活気をつくっていたのは、そこで行われているトレードであり、モノのやりとりを超えた人間とことばの応酬だったと思う。