![]() はじめに、ふた、ありき
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イルコモンズはいま、約80くらいのmixiのコミュニティに登録してるが、そのほとんどはあまり動いてない。つまり書きこみがない。「イルコモンズ・コミュ」など動かざること山の如しである。それはともかくも、そんなコミュの中でとびぬけて活発なのが「子育て・子どもの病気コミュ」である。このコミュは24時間385日、盆も正月も連休も夏休みもなく、日々刻々と動いていて、イルコモンズが最も熱心に読んでるコミュでもある。 そこに昼夜の別なく書きこまれてくる文章をよむと、「子育て」の苦労や喜び、「子どもの病気」に対する不安や心配、そして互いの経験や知恵を共有し、互いに励まし合いながら、日々、奮闘する親たちの姿がネットの向こう側にみえてくる。特に子どもの虐待や殺害事件のニュースがあった時などは、ここを見るとホッとする。「こういう親たちがいるのだから、まだ大丈夫だ」と。しかし、考えてみれば、こどものいないイルコモンズが、なぜそんなに熱心に読むのかさっぱり合点がゆかない。それで、よくよく気をつけて考えてみたら、どうも感情移入しているのは、親たちにではなく、子どもたちのほうであるらしいことがわかった。つまり、親たちの「子育て生活」ではなく、「こどもの暮らし」の方に興味があるらしい。つまり、朝、起きて、夜、寝るまで、ころんだり、すべったり、泣いたり、わめいたり、怒ったり、笑ったり、ときには、眠れなかったり、熱をだしたり、鼻血をだしたり、あせもができたり、ちんちんが痒かったり、突然、自我にめざめたり、歯が生えてきたり、欠けたり、うんちをもらしたり、おねしょしたり、しなかったり、おもちゃをこわしたり、兄弟をけとばしたり、友だちをなぐったりするショックと驚き、発見と冒険、エラーとアクシデントの連続のシビアでハードで波乱万丈の生活の方に興味があるらしい。こういう生活をしていたら、テレビなどみる必要がない。誰かが笑ったり、ものを食べたり、すべったりころんだりするのをみるまでもなく、自分自身がそれをやっているのだからスペクタクルは必要ない。ところで、もし仮に、こんな生活を大人がしたらどうだろう。朝、目が覚めた、と思ったら、いきなりころんで頭を打つ、その拍子におしっこをもらし、朝からべそをかく。気をとりなおして、朝食を食べようとするが、食べ物がうまくつかめず、おとす、こぼす、とりそこねる。しまいに手がすべってスープをひっくりかえし、その拍子にイスから落ちる。立ち上がろうとすると、しりもちをつく。もちろん泣く。ことばが不自由なので、どこが痛いか云えない、どのくらい痛いかも云えない、痛い理由も分からないし、親たちが何を云っているのかもわからない、、、、、昼になり、乳母車で外に連れ出してもらうが、これからどこへいくのか分からない、ここがどこかも分からない。まわりには自分より体の大きな犬や猫たちがいる。とりたいものには手が届かず、さわりたいものにもさわれない。さわってもなにかわからない。ちいさいから遠くまで見通しがきかない。気晴らしにうたう歌も知らないし、口笛もふけない。世界はわからないものだらけである。大きな鉄のかたまりがうるさい音を立てて通りすぎてゆくが、それが何なのかわからない。他にも意味のわからない音がする。ブーーーーー、ガーーーーー、ピロピロピロ、ポロロ、ブーーーーー、ガーーーーーー、オロロンオロロン、ガーーーーー、ゴーーーーーー、ウンドンガエン、トッツァンタチャ、タケンシミャメトルギャ、ゴーーーーーーー、ザーーーーーーー、オロロンオロロン、ザーーーーーー、とこんな生活が毎日続いたら、そのストレスは相当なものである。大人なら3日ももたないだろう。たちまち頭が変になるはずだ。ことによると「こんな生活はもうこりごりだ、死にたい」というかもしれない。しかし「死にたい」という子どもはいない。生まれてきたことを後悔するこどももいない。もちろん、平気なわけではない。平気ではないから、泣くし、怒るし、癇癪をおこす。寝つきだって悪いし、夜中に目もさめる。だが、死にたいとはいわない。こどもは次から次に起きてくるいろんなアクシデントやエラーに屈せず、決してわがものとはならない予測不可能な世界に日々立ち向かって生きている。これはなんというか、すごいことである。こんなすごいことを可能にしている力は何なのか、といえば、それはこどもの「生命力」だというほかない。その生命力がなければ、こんな過酷な生活を生き延びることはできないだろう。「生きることはつらいが、人生はうつくしい」(映画「トリュフォーの思春期」より)という、このことばは、まさに子どもためにあるようなことばである。すべったりころんだり、泣いたり笑ったりの連続であるスラップスティックのような子どもの暮らしをみていると、このことばが、にわかにリアルなものに思えてくる。そして誰もがかつてはみんなこどもであり、こどもの生命力をもっていた。その生命力で、日々、世界と立ち向かっていた。まれに、こうした子どもの力をもった大人たちがいる。あるいは、こういう子どもの力を人がとりもどす瞬間がある。自分たちが生きている世界を変えようとする革命や行動を起こす人びとのなかにあるのは、この力だと思う。と、突然こんなことを書いたのは、従兄弟に子どもが生まれたからなのだが、あいにく自分にそういう経験がないので、子どもの視点から書いてみた。というわけで、子どもというのは、これから毎日こんなに大変な目にあうことになるので、よく面倒をみてやってほしい。あと「子育て・子どもの病気」コミュニティにはいることも薦めたい。[追記1] おろろん おろろん おろろんおろろん おろろん おろろんよ おろろん おろろん おろろん おろろん おろろん おろろんよ うんどんがえん とっつぁんたちゃ 竹ん島ゃ 芽とるぎゃ 芽はとりゃえでん きゃ流ゃて 「おろろんおろろん」(寝させ唄)より その年の離れた従兄弟がまだ赤ん坊だったころ、 イルコモンズの家のばあちゃんが、たしか、この 子守歌を歌って聞かせていたた気がする。語呂が いいのでラップにして歌ってもいいかもしれない。
by illcommonz
| 2007-10-15 00:57
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