▼DNA構造発見のワトソン博士が差別発言
DNAの二重らせん構造の発見者として有名な米分子生物学者ジェームズ・ワトソン博士(79)(1962年、ノーベル生理学・医学賞受賞)が25日、コールド・スプリング・ハーバー研究所の会長を辞職した。黒人への差別発言が英紙に報じられて騒ぎになっていたことから、責任をとったものとみられる。AP通信によると、発言は「アフリカの将来を悲観的に思う。社会政策はすべて、彼らの知性が我々の知性と同じだという事実に基づいているが、すべての実験結果がそうなってはいない」「黒人労働者と付き合わねばならない人なら(対等でないことが)分かる」などというもの(読売新聞 10月26日)。
相手がどんなにエラい学者だろうが、この見解は全く支持できない。昔から云うように、科学者や知識人というのはものごとを悲観的にみる。何をどうみようと勝手だが、よその土地の将来を決めつけてはいけない。それに科学的な「実験結果」がいつも正しいわけではない。特に人間についてはそうだ。ハイエンドなサイエンスほどそれを認めている。人間は科学が最も苦手とする相手であり、科学の予想をつねに裏切る予測不能なサルである。それに科学的な人間観より、アフリカの人間観から学ぶものの方がずっと未来の社会の役に立つ。それは
ubuntuひとつみてもわかる。人間のあるべき暮しや社会のありかたについて何かを教えてくれているのはDNAの螺旋構造とubuntuの図のどちらだろう。むしろ科学の将来こそ悲観的に思う。それは「科学が地球をほろぼすのに長けているということをみてきた人なら分かる」。
▼Ubuntu - African Philosophy
http://www.buzzle.com/editorials/7-22-2006-103206.asp