はじめに、ふた、ありき
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話の途中ですが、この週末、京都に行く用事があったので、
新幹線を途中下車して、名古屋に行ってきました。といっても、 「哀・地球博」(by 田中偉一郎)を見に行ったのではなく、 「愛知万博記念」として豊田市美術館で開催されている 「アルテ・ポーヴェラ/貧しい芸術」展を見てきました。 豊田市美術館に行くのは今回が初めてだったせいで、 ついつい目的を見失って、谷口吉生が設計した ハイエンド・モダンな建築やJ・コスースの常設作品に、 ときおり目を奪われたりもしましたが、とはいえ、 今回の「アルテ・ポーヴェラ」展はなかなか見ごたえのある かなり充実したコレクションで、しかも、 「ふんわりやわらか仕上げのハミング」のような ソフトタッチなしかけもあって、なかなかあなどりがたい、 ヴェリッシモな展示でした。 「アルテ・ポーヴェラ」というのは、ミラノ・トリエンナーレの 会場占拠事件にいたる68年前夜の、揺れる大地イタリアの、 それもどちらかといえば、アンダーグラウンドな「画廊」から 農民一揆的にアクト・アップしてきたゲリラ的芸術運動なので、 そうした「読売アンデパンダン的」な対抗運動の熱気や沸騰を、 谷口デザインの、このすこぶるエレガントな「美術館」の中で 再現するのはさぞかし骨が折れただろうなぁ、なんてことを 思いながら見てましたが、でも、考えてみれば、そのテーマが 「テクノ」から「エコ」にシフトしたとはいえ、依然として 「ハイテク」の「豊かな」暮らしを夢見させる愛知万博の開催に あわせて、それとは対極的な、「ローテク」で「貧しい」芸術を 対位法的に置いてみせたところに、実は、インビジブルな 対抗の線が、美術館の外にむかって、ふんわりとやわらかに 張りわたされていたのかもしれません。 それはともかくも、今回の展示作品の中で特に気になったのが、 M・ピストレットの「ランチ・ペインティング」という作品で、 ←こんな風に絵の額縁がそのまんま 二人分の食卓と椅子になってるので、 人がこの額縁の中にフレーム・インして 書割の絵画になるというだけでなく、 (それだと観光地の首出し看板と同じ) さしずめ、ドゥルーズとガタリなら、 「絵画+食事+人間」という複合的 アレンジメント(イート・イン?)による 作動する「絵画機械」だ、とでも云いそうな、 R・ゴールドバーグの漫画風の狂ったマシン としてみることもできるわけです。 たぶん、そんなことを考えたのは、 名古屋でのこの途中下車の後に 向かうことになっていた、 京大の「石垣★カフェ」と、 いま・そこで剥き出しになって 展開されている生-政治的な 抵抗のアクションとこの作品とが オーバーラップしてしまったからなのですが、 これについては、また後日。
by illcommonz
| 2005-05-21 12:21
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