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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼「貝」を「分」けると「貧」となるのは、なぜ?
話の途中ですが、この週末、京都に行く用事があったので、
新幹線を途中下車して、名古屋に行ってきました。といっても、
「哀・地球博」(by 田中偉一郎)を見に行ったのではなく、
「愛知万博記念」として豊田市美術館で開催されている
「アルテ・ポーヴェラ/貧しい芸術」展を見てきました。

▼「貝」を「分」けると「貧」となるのは、なぜ?_d0017381_3482689.jpg

豊田市美術館に行くのは今回が初めてだったせいで、
ついつい目的を見失って、谷口吉生が設計した
ハイエンド・モダンな建築やJ・コスースの常設作品に、
ときおり目を奪われたりもしましたが、とはいえ、
今回の「アルテ・ポーヴェラ」展はなかなか見ごたえのある
かなり充実したコレクションで、しかも、
「ふんわりやわらか仕上げのハミング」のような
ソフトタッチなしかけもあって、なかなかあなどりがたい、
ヴェリッシモな展示でした。

▼「貝」を「分」けると「貧」となるのは、なぜ?_d0017381_3495686.jpg
「アルテ・ポーヴェラ」というのは、ミラノ・トリエンナーレの
会場占拠事件にいたる68年前夜の、揺れる大地イタリアの、
それもどちらかといえば、アンダーグラウンドな「画廊」から
農民一揆的にアクト・アップしてきたゲリラ的芸術運動なので、
そうした「読売アンデパンダン的」な対抗運動の熱気や沸騰を、
谷口デザインの、このすこぶるエレガントな「美術館」の中で
再現するのはさぞかし骨が折れただろうなぁ、なんてことを
思いながら見てましたが、でも、考えてみれば、そのテーマが
「テクノ」から「エコ」にシフトしたとはいえ、依然として
「ハイテク」の「豊かな」暮らしを夢見させる愛知万博の開催に
あわせて、それとは対極的な、「ローテク」で「貧しい」芸術を
対位法的に置いてみせたところに、実は、インビジブルな
対抗の線が、美術館の外にむかって、ふんわりとやわらかに
張りわたされていたのかもしれません。

▼「貝」を「分」けると「貧」となるのは、なぜ?_d0017381_1184723.jpg

それはともかくも、今回の展示作品の中で特に気になったのが、
M・ピストレットの「ランチ・ペインティング」という作品で、

▼「貝」を「分」けると「貧」となるのは、なぜ?_d0017381_17352575.jpg←こんな風に絵の額縁がそのまんま
二人分の食卓と椅子になってるので、
人がこの額縁の中にフレーム・インして
書割の絵画になるというだけでなく、
(それだと観光地の首出し看板と同じ)
さしずめ、ドゥルーズとガタリなら、
「絵画+食事+人間」という複合的
アレンジメント(イート・イン?)による
作動する「絵画機械」だ、とでも云いそうな、
R・ゴールドバーグの漫画風の狂ったマシン
としてみることもできるわけです。


▼「貝」を「分」けると「貧」となるのは、なぜ?_d0017381_18494064.jpgたぶん、そんなことを考えたのは、
名古屋でのこの途中下車の後に
向かうことになっていた、
京大の「石垣★カフェ」と、
いま・そこで剥き出しになって
展開されている生-政治的な
抵抗のアクションとこの作品とが
オーバーラップしてしまったからなのですが、
これについては、また後日。
by illcommonz | 2005-05-21 12:21
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