![]() はじめに、ふた、ありき
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![]() 第一回「表現者会議」に出席した。 この日は別の連絡会議もあったので、 途中でぬけたが参加者は14人で、 14人の中には美術雑の編集者や ライターはひとりもいなかったようだ。 (みんな「GEISAI MUSEUM2」の 取材にでも行ってたのだろうか)。 あいにくあまり時間がなかったので、 「ギャラリー246」の壁画「春の小川」 を現場で見てみて、「アート作品」や 「デザイン」としてどう思ったかという ことを主に話した。たしかに、絵そのものは、いかにもファンシーで、いかにもカワイク、そして、いかにもイノセントで、ソフトタッチな図柄なのだが、その図柄とは裏腹に、そこには或る強烈なメッセージを感じざるを得なかった、と発言した。すなわちそれは、「立ち止まるな、考えるな、忘れろ、そして、とっととこの場所を通りすぎて、ショッピングにでも行ってろ」というものだ。ちょっと大げさ過ぎるかもしれないが、そう思った。とはいえ、街の「ジェントリフィケーション」を進めたがってるクライアントが求めていたのは、まさしくそういうものだったはずなので、そういう意味では、クライアントの要望にまるまる100パーセントこたえた(こたえすぎてしまった?)「コミッションワーク=嘱託作品」なのだが、それによってアートやデザインの「何か」が失われてしまってるような気がしてならなかった。会議の詳しい内容については後日、主催者たちからレポートがあると思うが、とりあえず現時点ではまだ「日本デザイナー学院」との「対話」の見通しは立ってないという。なんとも気が滅入るので、気分なおしに、別の「ギャラリー」の話をひとつ。 ![]() この写真は、いま、ベツレヘムを旅している元・T.C.D.C.のメンバーの友だちが現地で撮影したもので、メールにはこう書いてあった。 「このあたりは、パレスチナのこどもたちもたくさん住んでいます。それに世界各地からの観光客がグラフティを見にきています。壁にかかれたグラフティの観光化はパレスチナ人に対するイスラエル政府の隔離政策も世に伝える一歩だと思います。それに、薄暗い壁を楽しく書き換えるのはすごくおもしろいと思います」 ![]() この「ルート181ギャラリー」のグラフィティやポスターは、「立ち止まるな、考えるな、忘れろ、そして、とっととこの場所を通りすぎて、ショッピングにでも行ってろ」という、「渋谷2446ギャラリー」の壁画とは反対に、ショッピングに行く人をその前に立ち止まらせ、考えこませ、そして依然としてそこにある問題を、もう一度思い出させる力を持っている。そういえば、「渋谷246ギャラリー」の壁画にも、ひとつだけ問いがあった。それは渋谷の小川に住む魚たちが「わたしたちは何匹いるでしょう?」と問いかけるというもので、いかにも無邪気な問いのようだが、それは、他の問いをたてさせないためのニセの問いとしか思えなかった。この数の問いには答えはひとつしかなく、一度その答えが分かればそれきり、という使い捨ての問いである。というより、なんだかひどくバカにされてるような気がした。 ![]() 最後にもう一度「渋谷246ギャラリー」に話をもどすと、絵の良し悪しや出来はともかくも、あの壁画に対しては、残念ながら、こうした共感や連帯をまったく感じることができなかった。絵を描いた「日本デザイナー学院」の学生たちは、おそらく、そういうふうには考えてなかったと思うが、やはりあの壁は「路上生活者に対するアパルトヘイトの壁」に見えてしまうのだ。「排除は排除の連鎖を生む」。あの壁画が一度グラフィティで上から塗りつぶされる、ということがあったのは、あの絵に「排除」や「隔離」を敏感に感じとった人間がいたからではないだろうか?排除は排除の風景を生むのだ。 ![]() ------------------------------------------------------------------- [追記] 上で紹介したメールに「パレスチナの壁には、世界各地から落書きしに、 パレスチナまできてるんですね。すばらしい行動だと思います。和物は一切 ありませんでした。わたしはできたら、連帯もこめて、日本のアナキストシーンも マーキングしたいなー思っています。そこでですね、できたら、やはり日本の アナーキーシーンになにか作ってもらって、それを隔離壁に貼りたいな思って います」とあったので、さっそく、ひとつつくってみた。 ![]() 元・T.C.D.C.の仲間からの呼びかけだったので、T.C.D.C.のロゴマークを使った ポスターにした。切り抜けばそのままステンシルにもなるようにデザインしてみた。 コピーは「僕らのドラムのビートは、このアパルトヘイトの壁をつきぬけてゆく」。
by illcommonz
| 2007-12-28 07:27
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