はじめに、ふた、ありき
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「パレスチナにはいたるところに隔離壁があります。この壁はイスラエル政府によってつくられました。この壁によってパレスチナの人々は自由に動くことができません。そして24時間体制で管理されています。今、この壁に世界中のアーティストやアナキストがグラフティやステンシル、ポスターなどを描いています。この動きによって、今、パレスチナ・ベツレヘムの隔離壁がひそかな観光スポットになっています。隔離壁の観光化が進むことによって、世界中にイスラエル政府のパレスチナに対する隔離政策が少しでも伝わると思います。そして、なにより、薄暗い壁を楽しい絵でいっぱいにしてしまうのは、なんともおもしろいことだと思います。そこでわたしたちも、この流れに乗ろうと考えています。絵やポスター、ステンシルなどを今月1月23日までにイレギュラー・リズム・アサイラムに届けてください!時間があまりないですが、どうぞよろしくおねがいします」。
という呼びかけではじまった「ワンダーウォール・キャンペ-ン」。今回、日本でのエージェント役をかってでてくれたRLLのハーポ部長によれば、賛同者は全部で26人。それぞれが思い思いのポスターや絵やステンシルを持ち寄り、ボンドや洗濯糊まで入れると、全部で11kgになったそうだ。しかも今回は「集まったものは全部送る」という「完全無審査制」を採ったという。アンデパンダント展方式だ。 集まったものをみると、どれが、誰の、なにやら、さっぱりわからないけど、そこがいい。かつてドゥルーズがこう書いていた。 「芸術とは、まずなによりポスターである。芸術家は、スキノピーティスであるが、違うのは、芸術家なら、自分のポスターを破り捨てるということだ。作家は「知られること」、認められることを望むべきではない。顔をうしない、壁を越え、あるいは、壁をうがち、とても辛抱づよく、壁をすりへらすこと。それ以外に書くことの目的はない」。 いつの日か、このポスターが「隔離壁」とともに、こっぱみじんになり、 跡形もなく、この世から永久に消え去ることを願いたい。 かたや、フランスでも。。。 それにしても、 なぜ、顔なのか? レヴィナス的に云えば、 顔にはつねにひとつの メッセージがあるからだ。 「汝、殺すことなかれ」が それで、顔はよびかける。 仮借なくよびかける。 待ったなしによびかける。 「汝、殺すことなかれ」と。 ▼28 millimetres by JR and Ladj Ly http://jp.youtube.com/watch?v=zWu-BSIUs2E 『28ミリメートル―ある世代の肖像』 「写真家の名はJR、クリシー・スー・ボワ在住である。クリシーといえば、二年前の「暴動」の発火点となったパリ郊外の自治体だ。JRは、以前から撮りためていたクリシーの友人たちの顔写真を大きく引き伸ばして、〇四年、つまり「暴動」の一年前に、地元の団地の壁面に展示した。翌年からは「Kourtrajme」というアーチスト集団のメンバーであるLadj Lyの協力を得て、パリの街中で、非合法的に、少しずつ顔写真を貼り付けていたところ事件が起こった。二人は、アクシデントを逆に利用して、〇六年四月、パリ中心部のマレ地区で、多目的ホールの壁面に写真を貼り付けた後、ケルヒャー社製の放水器で「掃除する」という離れ業を演じた。そのとき展示された写真に、撮影された若者のコメントを付記し、映画『憎しみ』の主演俳優ヴァンサン・カセルの序文を戴いてできたのが『28ミリメートル』である。ケルヒャーとは、内相時代のサルコジが「社会のクズはケルヒャーで一掃する」と断言した、あのケルヒャーだ。諸々の断絶を意味する「壁」に、絶望を通り越した若者の表情を高々と掲げ、言われた通りに除去する。受けた屈辱の象徴的な再現、それこそ「魂という自由」の表現ではないだろうか」(昼間 賢「日仏の郊外、余計者の余地」『月刊オルタ』より)
by illcommonz
| 2008-01-31 17:49
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