![]() はじめに、ふた、ありき
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![]() "義理"より格上「世話チョコ」登場」 「女性が男性にチョコレートを贈って愛を伝えるバレンタインデー(14日)を前に、百貨店では商戦がたけなわ。今年は“本命”でも“義理”でもない、お世話になった人に感謝の気持ちを贈る「世話チョコ」に的を絞ったキャンペーンが登場し、注目を集めている。恵比寿三越は、新たなキーワード「世話チョコ」を提案、品ぞろえを充実させた。(...) 同店は、“義理”よりも格上の“お世話になった感謝”と分析。ダイアナ元英皇太子妃も利用したマフィン店「ノッティングヒルケイクス」の限定商品や手鞠をモチーフにした彩り豊かな和風チョコなど、1000円台で見た目と味にこだわったスイーツを集めたという。チョコレートの製造者団体、日本チョコレート・ココア協会の広報担当、藤田康子さんは、仕事や習い事といった女性の社会進出で「世話チョコ」の需要はさらに上がるという。「義理という言葉に比べ、時代に合っている。安いチョコをたくさんばらまくのではなく、チョコも渡す相手も厳選する女性が増えていると感じる」と話している。」(毎日新聞 2008年2月2日) ここにもまた「格差」が。。。 余計なお世話かもしれませんが、この時期、世界では、 こういうオルタネティヴなキャンペーンも行われてます。 ........................................................................... ![]() 西アフリカの児童労働による チョコレートにNO!を 子どもを働かせて 作ったチョコレート、 あなたは食べますか? 「2001年4月13日、世界の新聞やテレビがある事件を報道しました。西アフリカのギニア湾で10歳から14歳の子ども227人を乗せた船が行方不明になったのです。ギニア湾の沿岸国家はこの船の寄港を禁止したため、1週間ほど近海をさまよった後、出発地だったベニンの港町、コトヌーに戻ってきました。ところがその時、子どもの数はわずか23人に減っていました。残りの200人は海に捨てられたとも、沿岸で下ろされたとも推測されています。この船の子どもたちはコートジボワールのカカオ豆農園に売られて送られる途中だということがわかりました。全世界のカカオ豆の7割は西アフリカで、特に4割はコートジボワールで作られています。カカオ豆のような一次産品は途上国にとって、重要な外貨獲得源です。大変厳しい競争にさらされていて価格は下がる一方です。利益を上げるために安い労働力を得ようとして子ども奴隷を使っているという構図があります。奴隷仲買人は、1人あたり15~30ドルで村の子どもたちを買い集め、カカオ豆の農場に送ります。子どもたちはただ同然の低賃金か賃金なしで重労働をさせられ、擦り切れたTシャツ1枚で農薬を扱うこともあります。カカオ豆の生産のため、25万人を越える西アフリカの子どもたちが働いていると言われています。欧米のチョコレート・ココア業界の企業、労働組合、消費者団体、NGOは、カカオ栽培における最悪の形態の児童労働と強制労働をなくすことを目的に協定を締結し、その実現のために「国際ココア・イニシアティブ」基金を設立しました。しかし米国の大手のチョコレート企業は、ついに「児童奴隷フリーslave free」(児童奴隷による搾取のないカカオ豆から作られた)チョコレートを作ることができませんでした。締結した協定を遂行するゴールはさらに 2008年までに延ばされました。 ![]() ・明治製菓お問い合わせフォーム https://net.meiji.co.jp/cgi-bin/inq/input.cgi?THEME=1 ・森永製菓お問い合わせ http://www.morinaga.co.jp/soudan/index.html ・ネスレジャパングループお客様相談室 consumer.services@jp.nestle.com 「アムネスティ・インターナショナル」より http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=165 ............................................................... ▼「バレンタインデービジネスの歴史とその慣習的現状」 「バレンタインデー」(出典:ウィキペディア) 「日本でのバレンタインデーとチョコレートとの歴史は、神戸モロゾフ洋菓子店が1936年2月12日に、国内英字雑誌に「バレンタインチョコレート」の広告を出し、1958年2月に伊勢丹新宿本店でメリーチョコレートカムパニーが「バレンタインセール」というキャンペーンを行った。ただどちらにしても、あまり売れなかったようである。伊勢丹でのセールでは、1年目は3日間で板チョコが3枚、カードを含め170円しか売れなかったとの記録がある。ソニー創業者の盛田昭夫は、1968年に自社の関連輸入雑貨専門店がチョコレートを贈ることを流行させようと試みたことをもって「日本のバレンタインデーはうちが作った」としている。現在ではチョコレートの年間消費量の4分の1がこの日に消費されると言われるほどの国民的行事となっている。当初は女性が男性にチョコレートを贈ると同時に愛の告白をする日とされていたが、現在では既に交際中の恋人や、結婚している夫妻の間でも行われるようになり、上司や同僚、ただの友人などの恋愛感情を伴わない相手にもチョコレートを贈る「義理チョコ」という習慣や女性が女性へチョコレートを贈る「友チョコ」という習慣も生まれている。」 「バレンタインデーのチョコのやりとりに関する日本での意識調査」 「2006年2月にインターネットで情報提供を手掛けるアイブリッジ社が実施したバレンタインデーに関する独身男女(20代~30代)に対するアンケートによれば、回答した300人のうち「チョコレート受け渡しの習慣なんかなくなればいい」という回答がOLで70%、同じく男性社員は50%であった。ただし、OLの反対意見では、女性の側から贈る習慣に反対しているのであって、男性側から贈るのであれば賛成とする意見も多かったとされる。一方、同じく2006年2月に東証一部上場の調査会社である株式会社マクロミル社によって行なわれ、全国の10代~30代の1,030名の女性から回答を得た「バレンタインデーに関する調査」では、「日頃の感謝の気持ちを表す機会」が69%、次いで「コミュニケーションの円滑化」(49%)、「楽しい年中行事」(32%)という回答結果であった。反対に「義務的なイベント」と回答した人は23%に留まっており、義理チョコに対してポジティブなイメージを持っている人が多い、という結果となった。しかし、2007年2月同社による20歳以上39歳以下の会社員女性515名から回答を得た「バレンタインデーに関する調査」では「会社での義理チョコのやりとり、あった方がいい」が26%、「ない方がいい」が74%とネガティブなイメージがあり、調査年齢層の年齢が上がるほど否定的傾向が顕著に強くなる調査結果となった。」 ------------------------------------- 余計なお世話かもしれませんが、少なくとも「義理」はやめて、「本命」だけにしてみてはどうでしょうか。たぶん、製菓会社以外は、それほどこまらないと思うし、なにより余計な「大量消費」が減リます。それにもともと「習慣」なのだから、なくなっても、すぐに慣れます。 ![]() なんだか野暮ったいことを 云ってるような気がするので、 かわりに、とてもよい本の紹介を。 アレックス・シアラー 『チョコレート・アンダーグラウンド』 求龍堂 [あらすじ] 「舞台はおそらく現代のある国。 選挙で勝利をおさめた<健全健康党>は、なんと<チョコレート禁止法>を発令した! 国じゅうから甘いものが処分されていく・・・・。 そんなおかしな法律に戦いを挑むことにしたハントリーとスマッシャーは、チョコレートを密造し、<地下チョコバー>を始めることにした!」 ----------------------------------------------- (本文より) 「本日五時以降チョコレートを禁止する」 今後、チョコレートは何人にも売買してはならない。 ただし、適正な医師の証明書がある場合はこのかぎりではない。 それ以外の場合、菓子やチョコレートの販売は、これを禁止とする。 違反した者は、、五千ポンドの罰金または懲役刑に処す。 これは行政命令である。 健全健康党発行 国民に選ばれた代表 (われわれは、よりよい健康及びよりよい歯のため、 悪しき食生活による肥満や疾病の排除のために力をつくします) ......................................... ふたりは、立ったままその掲示を読み、もう一度目を通した。 「あ~あ」スマッジャー・ムーアが言った。 「キャンディーが一個と、それから最後のチョコレートバーがあるけど、それがなくなったらおしまいだ。おまえは?」 ハントリーはポケットをさぐった。なめかけのレモン・キャンディーが一個、リコリスが一個、チューインガムが一枚。ハントリーは手をさし出して言った。 「これで全部。一生分のお菓子が、これだけだ。食べちゃったら、お菓子なしだよ」 「最悪だな」スマッジャーが言う。 「こんなことになるなんて。信じられない。なあ、どっか静かなとこを探して、全部食っちまおうよ」 ふたりは古い墓地まで行った。ぴったりの場所だ。ハントリーもスマッジャーも、葬式に行くような気分だったからだ。 ふたりは墓地に着くと、チョコレートを胃の中に埋葬することにした。 古い墓石の上にしんみりと座って、最後のお菓子を食べた。 大きな音をたててなめ、時間をかけてゆっくりかんで食べた。 できるだけ長持ちするように。 それから包み紙を手に取り、きれいになめた。近くのゴミ箱に包み紙を放りこんだりせずに、きちんとたたんだ。十ポンド札のように、ていねいにしわを伸ばし、小さく四角に折ってポケットにしまった。 「これで終わりかあ」スマッジャーが言った。 「今度、これが手に入るのは病気で死ぬまえだろうな。そのときだって、医者の処方箋ってやつが必要だしな」 「母さんの病院は今ごろそんな人たちでいっぱいだと思うな」 ハントリーは言った。 ・・・・ 「なにか元気のでるものを買いたいんです」女の子は言った。 「どんなもの、お譲さん?」 バビおばさんはたずねた。 「なにかぴったりのものをください」。 バビおばさんはうなづいて、カウンターのしたに手を伸ばした。銀紙にくるまれたチョコレートバーをふたつ取り出すと、女の子に見えるように下におろす。 「ピカピカが外のほうか、ピカピカが中のほうか、プレーンか、フルーツ&ナッツかってことだけど」 「ピカピカが外のほうをください」 バビおばさんが値段を言うと、女の子はお金を置いた。 「ありがとう」 「こちらこそ、見られないようにしてね」 「そうする、安全なところですぐに食べるつもり、すっかりね」 そして女の子は行ってしまった。それだけだった。 どしゃぶりも最初は一滴の雨から始まる。 (つづく) ------------------------------------------------- この本にあるように 「すべての人に自由と正義とチョコレートを」。 そして"義理"や"世話"ではない人道的なチョコレートを。 「愛をちょっと少なめに、親切をちょっと多めに」 (カート・ヴォネガット)
by illcommonz
| 2008-02-12 02:19
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