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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼「マルチチュードの芸術論」と「帝国の芸術論」
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▼「ぼくの考えでは、いまやアートほど、つまり、アートのプロダクションやマーケットほど、マルクスが「実質的なとりこみ」と呼んだ社会的組織化が進行している例は他にないと思う。生のあらゆるカテゴリーを、社会の資本主義的な再生産に対応する、唯一の形式(*お金や価格、市場価値や取引価格)に還元してしまう支配の発展、つまり、「実質的なとりこみ」の発展とその状況の影響を、まず最初に受けるのはアートだ。アートは集団的な力の解放を通じて、僕らの存在を乗りこえるものをつくりだすもので、資本主義の支配に対する「拒否」以外のなにものでもありえないんだ。アートは資本主義の指令を甘んじて受け入れることなどできないんだよ。アーティストがそれを受け入れるということが、何を意味しているかと云えば、それはただ単に芸術家の自覚の欠如であり、彼の話が形容矛盾を起こしているということなんだ。アートであることの形而上学的な条件とは、「叛乱」と「拒否」ということだ。さて、それじゃ、今日のアーティストの姿は、どのように発展しているかを見てみることにしよう。」(アントニオ・ネグリ『マルチチュードと芸術』より)

「世界で戦うための『芸術起業論』」
「村上が最も力を入れて記すのは、いかに欧米の美術業界で成功するかというノウハウだ。もっと単刀直入に言うならば、いかに自分の作品から金銭的な価値を生み出すかである。つまり、この本は紛れもないビジネス書なのだ。アーティストがここまで“現世的”な執着と成功法則をてらいなく語った本は過去に例を見ない。では村上が唱える勝利の法則とは何か。一言で言えば、「ターゲットとするマーケットのルールを知り、それに即した戦略を立てる」ことに尽きる。 本書は、美術業界を「マーケット」と捉えて語っているので、美術に詳しくない一般のビジネスパーソンにとっても、抵抗なく読めるはずだ。いかにマーケットにおいて自社製品を他社製品と差別化するか、いかにブランド価値を高めるかなどに腐心する、マーケティング担当者にとっては、特に参考になる部分が多いのではないだろうか。」(ここから先は、NBonline(日経ビジネスオンライン)会員の方だけがご覧いただけます。)

▼「もっとはっきり云えば、それって、市場の永遠性のことだろう。受け入れられないよ。芸術は価格に還元された単一性に、さまざまな特異性からなるマルチチュードを対置する、という意味において「反市場」なんだ。ねえ、ジョルジュ、きみがぼくの非常に具体的なユートピアに賛成してくれるかどうか、ぼくにはわからない。でも、芸術行為を市場に還元するというあの日常的な侮辱を避けることは、きっとできる、ぼくはそう確信しているんだ。」(アントニオ・ネグリ『マルチチュードと芸術』)

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たしかに本をめくっていくと「ビジネスセンス、アート・マネージメント、クライアント、スポンサード、オークションハウス、ルール、アイデンティティ、コンプレックス…」という、これまで自分が読んできた芸術論の本ではあまり目にしたことのないビジネス用語やサクセスストーリーが目についた。なるほど、そこで語られていることは、いま・そこにある「帝国」の体制とそのニーズに見事に応えているにちがいない。それも「同時代芸術」である現代アートの役割のひとつなのかもしれない。はたして、それがよいかどうかはひとまず措いといて、ただひとつはっきり云えることは、つまり、それは「帝国のアート」だということで、仮にそうだとすれば、やはりそれは受け入れることができないし、それを「拒否」する側につきたいといつも思っている。911の直後のあるシンポジウムで村上隆は「わかりあえない世界」ということを云っていたが、いま、そのことばを思い出した。たしかに「帝国」と「マルチチュード」は一身同体だが、そのあいだには分かりあえないところがあるようだ。問題は、どちらがただしいとか、まちがってるとかではなく、どちらが来たるべき次の未来となるかで、これは賭けてみるよりほかない。
by illcommonz | 2008-02-15 05:30
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