はじめに、ふた、ありき
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▼A+A研究会主催「A+A01シンポジウム」
2008年3月27日(木)/28日(金) 大阪市立大学 高原記念館 ▼2008年3月28日(金)10:00- 講演「民主主義のはじまりの風景~ うるさくて、めんどくさいことは、いいことだ」 講師:イルコモンズ ▼2008年3月28日(金)13:00- ワークショップ「ドラム・ギャザリング~ ルールのないドラムパーティ」 進行:イルコモンズ+(交代制) 今日は「民主主義」の話をする。その話には、民主党のことは出てこない。もちろん自由民主党のことも出てこない。話したいのは、アナーキストが語る「もうひとつの民主主義」、「ほんとうの民主主義」の話であり、マルチチュードが語る「直接民主主義」を超える「絶対民主主義」の話。それは民主主義の"複数の原点"にたちもどり、その「はじまりの風景」や「デモスたちのスキャンダル」の話からはじまる「アーキ・デモクラシー」の話。その話は、たぶん、こんなふうにはじまる。むかしむかし・どこでもない・あるところで・未来が先取りされていました... ▼イルコモンズ編 「民主主義のはじまりの風景」用 教材テキスト ▼ルイス・カーン「ビギニングス」(イルコモンズ・ミックス) 「わたしはいつも、古い施設の新しい表現を見つけだそうと努めています。 たとえば、学ぶための施設は、私たちにとって大きな関心のあるものです。 それは、おそらく、いっぽんの樹の下にいる、あるひとりの人物と、 その人物のまわりで、その話を聞く人たち、という風景のなかではじまりました。 そのいっぽんの樹の下で、自分を教師だとは思ってないひとりの人間が、 自分を生徒だと思ってない人たちに、 彼/女が真実だと思っていることを語ったのです。 話を聞いた人たちは「その通りだ、それが真実だ」と思い、 自分の子どもたちにも、こんな経験をさせたいと考えたところから、 学校ははじまりました。これが学校のはじまりの風景です。 はじめての教室のおどろきを、私は決して忘れていません。 わたしは、はじまりの時や、はじまりの場の感覚を求め、 それを心に抱きながら、あらゆる問題にとりくみます。 わたしは、この話をくりかえし話してきましたが、 文章になったものを読むのは好きではありません。 わたしの話し方は引用のように聞こえるし、 引用のように聞こえるべきではないのです。 この話をあなたが理解したまま書いてください。(←そうしました) あなたならもっとうまく書けるでしょう。 引用するよりもよいものになるでしょう。 わたしの話は、分かりにくいことがよくあります。 わたしの話は、実際の事例でも、私の経験でもなく、 わたしが自分の心にもっているイメージだからで、 つまり、わたしがお話しているのは「ある感覚」なのです。 わたしは歴史が好きなので、本をよく読みますが、 たいてい第一巻しか読みません。それもはじめの数章だけです。 わたしの願いは、第ゼロ巻を読むことなのです。 つまり、いまだ書かれざるものを読むことにあるのです。 こんなふうに、はじまりのイメージを求めることが、 心や精神というものを出現させたのではないでしょうか。」 ▼文部省「あたらしい憲法のはなし」 「みなさん、あたらしい憲法ができました。そうして昭和二十二年五月三日から、私たち日本國民は、この憲法を守ってゆくことになりました。このあたらしい憲法をこしらえるために、たくさんの人々が、たいへん苦心をなさいました。ところでみなさんは、憲法というものはどんなものかごぞんじですか。じぶんの身にかゝわりのないことのようにおもっている人はないでしょうか。もしそうならば、それは大きなまちがいです。こんどの憲法は、みなさんをふくめた國民ぜんたいのつくったものであり、國でいちばん大事な規則であるとするならば、みなさんは、國民のひとりとして、しっかりとこの憲法を守ってゆかなければなりません。そのためには、まずこの憲法に、どういうことが書いてあるかを、はっきりと知らなければなりません。いちばん大事な考えが三つあります。それは、「民主主義」と「國際平和主義」と「主権在民主義」です。「主義」という言葉をつかうと、なんだかむずかしくきこえますけれども、少しもむずかしく考えることはありません。主義というのは、正しいと思う、もののやりかたのことです。それでみなさんは、この三つのことを知らなければなりません。まず「民主主義」からおはなししましょう。」 ▼花森安治「見よぼくら一銭五厘の旗」 「さて、ぼくらはもう一度、倉庫や物置きや机の引出しの隅から、おしまげられたり、ねじれたりして錆びついている〈民主々義〉を探しだしてきて、錆びをおとし、部品を集め、しっかり組みたてる。民主々義の〈民〉は庶民の民だ。ぼくらの暮しをなによりも第一にするということだ。ぼくらの暮しと企業の利益とがぶつかったら、企業を倒すということだ。ぼくらの暮しと政府の考え方がぶつかったら、政府を倒すということだ。それがほんとうの〈民主々義〉だ。政府が本当であろうとなかろうと、今度またぼくらがうじゃじゃけて見ているだけだったら。また〈幻覚の時代〉になってしまう。そうなったら今度はもうおしまいだ。」 ▼ヨゼフ・ボイス「直接民主主義の100日間情報センター」 ▼ジャック・ランシエール「デモクラシーというスキャンダル」 「デモクラシー(=民主主義)は、代議政体の形式でもなければ、資本主義の自由市場の上に建てられた社会の形態でもありません。デモクラシーということばに、それがもともと持っていた「スキャンダルの力」を与え返さなければならないのです。そもそもデモクラシーを支持しない者たちにとってデモクラシーとは、下層民や群衆など「統治する資格を持たない連中による統治」という意味であり、つまり、デモクラシーとは「侮辱のことば」だったのです。自然にしたがうなら、統治というものは、統治する資格をちゃんと持った者たち、すなわち、富の所有者や聖職者、家主、知識人、専門家といった者たちに帰されるべきはずのものです。しかし、政治的な共同体が存続するためには、こうした優位性を「権限を持つ者たち」と「権限を持たない者たち」とのあいだにおける平等のレベルにまで立ちもどらせる必要があるのです。この意味で、デモクラシーとは、統治のある特殊な一形式のことではなく、あらゆる支配を「そのはじまりの非合法性」に投げかえす政治そのものの基礎ということになります。」 ▼チョムスキー「マニュファクチュアリング・コンセント」 「民主主義の基本は、情報や思想に自由にアクセスできることです。」 ▼谷川雁「原点がある」 ▼「This is what Democracy looks like」 ▼アントニオ・ネグリ+マイケル・ハート「マルチチュード」 「私たちがここで問題にしているマルチチュードの民主主義が、従来「直接民主主義」と考えられてきたもの、すなわち、ひとりひとりが生活や仕事の時間をさいて、あらゆる政治的決定について、そのつど投票しなければならないものとは似ても似つかないものであることが理解できよう。」
by illcommonz
| 2008-03-28 03:28
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