はじめに、ふた、ありき
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[単元1] スウェットショップのこと
▽スウェットショップがもどってきた 「スウェットショップ」という言葉は、1800年代終わりごろに米国で生まれた。この言葉が示すのは、労働者を人間の限界まで働かせてできるだけ利益を搾り取ろうとする工場の厳しい労働環境と非人間的な処遇のことで、しばしば下請け会社の状況を指している。20 世紀初頭、100人以上の縫製工場労働者の悲惨な死が米国の大衆ゴシップ紙上をにぎわし、「スウェットショップ」はよく聞かれる言葉になった。1911年 3月25日、ニューヨークのアッシュビルの9階にあるTriangle Shirtwaist社から出火した。ミシンが所狭しと並んだ狭い通路やひとつしかない階段から脱出することができず、146人の労働者が焼死したり煙に巻かれたりして死亡した。中には、運を天に任せてビルから飛び降りる人もいた。飛び降りてくる若い女性や少女たちをネットで受け止めようと試みていた消防士と群衆の上に、人間が落ちていった。 ▽グローバル化と自由貿易 その後、数十年間、特に第二次世界大戦後は、政府の規制と組合組織のおかげで工場の労働環境には著しい改善が見られた。この時期、すべてとは言えないまでも、北米の縫製工場の労働者たちの多くは安定した雇用を享受し、比較的まともな労働条件で働いていた。しかし、それも長くは続かなかった。今日、生産コストが高いと考えられているメキシコやタイなどの国々では、労働者が大量に解雇される事態が起きている。ほとんどの生産が中国とインドにシフトする一方で、バングラデシュなど他の貧困国は格安の人件費によって受注を引き付けている。 2005 年4月11日、午前1時、バングラデシュの首都ダッカのサバール地区にあるSpectrum Sweater社とShahriar Fabrics社の工場が入居している9階建てのビルが崩壊した。労働者64人が死亡、数十人が負傷し、数百人が仕事を失った。ビルががれきと化すたった 16時間前、ビルの柱に亀裂が入っていると労働者たちが訴えていたばかりだった。ビルの基礎部分は不十分な造りで、建築許可も明らかに下りていなかったにもかかわらず、もともとあったビルに5階分のフロアが増築されていた。さらに状況を悪化させたのが、4階と7階に設置されていた重量のある機械である。 ヨーロッパの多くの大手小売企業がSpectrumの工場に衣料品の製造を委託していたが、どの企業もこの構造と安全衛生の問題を見つけ出すことができなかった。「4月11日の悲劇の原因は怠慢である」。バングラデシュの女性労働者団体Karmojibi Nariの代表のShirin Akhterはこう語った。「それは事故ではなく殺人です」 私たちは高校や大学で講演を行ったが、その実態は彼らにショックを与えた。超低賃金、危険な労働環境下での強制的な1日18時間の労働。このような状況の中で学生たちのお気に入りのブランドを作っているのは、彼らと同じ年頃の労働者なのである。 ▽有名ブランドの汚名 ナイキのマークが入った製品を誇らしげに身に着けていた学生たちは、ナイキのCEO(最高経営責任者)であるPhil Knightに怒りの手紙を書き、ナイキのスウェットショップで作られたものを身に付けることは絶対にないだろうと宣言した。しかし、悪者はこの超有名ブランドだけではなかった。ナイキほど知られていない企業もナイキと同じ工場を使っていたり、またはもっとひどい状況の工場で生産していたりすることもある。 ナイキやそのほかの有名ブランドには大きな汚点が残り、「スウェットショップ」の意味を若者たちに説明する必要もなくなった。ナイキやギャップなどの企業は、CSR(企業の社会的責任)報告書を発行し、労働者の権利に対するいくつものひどい侵害が、グローバルなサプライチェーン全体に引き続きはびこる問題であることを認めた。現在大手ブランド企業の中には、「行動基準順守担当者」を置いているところもあり、苦情に対してほぼ即答し、状況を調査して企業側が進んで取り組む「改善」点について報告すると約束するようになっている。 しかしそのような進展にもかかわらず、実際には労働の現場はほとんど変わっていない。だが、大手ブランドの下請け工場では、児童労働はわずかながら減少し、強制的な妊娠検査と安全衛生面での違反の減少も見られる。しかしまた一方で、超低賃金、強制的に残業をさせての長時間労働、待遇改善を要求して団結を試みた労働者たちの大量解雇などが、業界全体でいまだにあたりまえのように行われている。(ボブ・ジェフコット「汗と火事そして倫理」(「ニュー・インターナショナリスト」2007年4月号より) ----------------------------------------------------------------------- 上のレポートは、米国では「スウェットショップの意味を若者たちに説明する必要もなくなった」とそう書いてありますが、日本では、まだその必要が大いにあるので、今年もまた映像を使って世界の「スウェットショップ」の実態について学びます。ハイチやジャマイカのスウェットショップをとりあげたドキュメント映画のほか、YouTubeに投稿されたスウェットショップ反対キャンペーンのヴィデオ(去年つくられた新しいものもあります)を時間が許す限りなるべくたくさん紹介してゆきます。 [教材映画1] ▽マイケル・ムーア「ザ・ビッグワン」(1997年) ▽チャールズ・カーナハン「ミッキーマウス、ハイチへゆく」(1996年) ▽マイケル・ムーア「ジャスト・ビッグワン」(1997年) ▽チャールズ・カーナハン「ディズニーの搾取の科学」(2002年) ▽ステファニー・ブラック「ジャマイカのフリーゾーン」(2005年) ▽ナオミ・クライン「ノー・ロゴ」(2003年) [教材映画2] ▽ディズニー「ディズニーチャンネル(PV)」 ▽NIKE「フリースタイル(CM)」 ▽NIKE「エアフォース25(CM)」 ▽GAP「ヘップバーン(CM)」 ▽GAP「ダフトパンク(CM)」 [教材映画3] ▽H&Cフィルム「スウェットショップ?」 ▽JTH「消費されるもの」 ▽スウェットショップ・ユニオン「THE THING ABOUT IT」 ▽ND「スウェットショップ・レイバー」 ▽ND「スウェットショップ」 ▽ユース・ヒューマンライツ「奴隷制」 [最新資料] ▽ヒロ&フランク「GAPのスウェットショップ」 ▽リズワン&アリボーイ「トライ・ノット・トゥ・クライ」 ▽ND「NIKEのスウェットショップ」 ▽ND「スウェットショップス」 ▽ヘンリー・フリック「フェアトレード」 ▽ディズニー「魔法にかけられて(予告編)」 ▽マーク&ユリ&ジェス「ディズニーのスウェットショップ」★
by illcommonz
| 2008-04-22 20:55
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