
▼エドゥアール・マネ「春」
きのうの東京は、春たけなわ。
草木は萌え、蒼天高く、風薫る季節。
生きとし生けるものすべてが輝き、
活き活きとしてまばゆくみえる、
そのことが…物憂く想える、
そういう時もある、春の憂い。
人はそれを春愁と呼ぶ。
「うらうらに照れる春日に雲雀あがり
心悲しもひとりし思へば」(大伴家持)
マネの絵に、家持の詩を、ひとりにし想う、厄年の春。
「おーい、おーい、おーーーい、ってば。」
されど、その雲雀はまた飛び去っていってしまった。
たんたんと、にこやかに、うらうらと、
春を呼べど、こたえるものなき、
沈黙の春は、つづく。
巣のなきところに、宿るものなし哉...