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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼文化人類学解放講座G8サミット・スペシャル
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▼イルコモンズ編「現代社会」(中級)
単元「文部科学省検定済み教科書でよむG8サミットと
教科書に載ってないG8サミットの大罪」

▼切り貼りした教科書
・東京書籍 高等学校 公民科用「現代社会」文部科学省検定済み教科書
・教育出版 高等学校 公民科用「新現代社会」文部科学省検定済み教科書
・清水書院 高等学校 公民科用「新現代社会 改訂版」文部科学省検定済み教科書
・山川出版社 高等学校 公民科用「現代社会」文部科学省検定済み教科書
・三省堂 高等学校 公民科用「現代社会 改訂版」文部科学省検定済み教科書
・清水書院 高等学校 公民科用「新政治・経済 改訂版」文部科学省検定済み教科書

▼「人びとに抗議されるG8サミットとは、いったい何なのだろうか?」
「2007年、G8サミットの開催地はドイツ、ハイリゲンダム市でおこなわれた。5月後半から、ドイツには世界中から10万人の人びとが結集し、G8サミットにたいして様々な抗議行動が組まれた。6月2日、ハイリゲンダムに隣接するロストック市では、G8サミットに反対する団体全体で統一のデモが組まれた。そこには「人権」「女性」「環境」「貧困」「反戦」などの多様なテーマをもった団体・個人が参加し、その人数は8万人を超えていた。デモは午後一時頃から、おおむね平和的にはじまった。デモ参加者にはきらびやかな格好をして、街頭にアピールする集団もいれば、軍人の格好をして行進するピエロ(クラウン・アーミー)もいたし、妖精の格好をして警官をからかう人びと(ピンク・ブロック)、巨大な操り人形を持って練り歩く人びと(パペット・ブロック)、サウンドカーで音楽をガンガン鳴らし、ぴょんぴょん跳ねながら盛り上がっている若者もいた。黒服の若者のなかには、「ブラック・ブロックという戦術」をとり、デモの途中、とある食品関係の多国籍企業の建物を破壊する人びともいた。しかし、彼らも人体に危害を加えないという点では、他の参加者と同じく「非暴力」で統一されていた。標的はあくまで多国籍企業。多国籍企業の多く(ナイキ、ディズニー、GAP、ウォールマート、マクドナルド、スターバックス、ネスレ、コカコーラ、ドール、マテル)は、世界中の人びと(特に発展途上国の女性や子どもたち)を低賃金で搾取し、不安定雇用(派遣労働など)におとしいれている。だが、それにもかかわらず、宣伝広告という魔法を使って、あたかも自分たちが「清潔感にあふれた」「明るい」(クールで、エコで、スマートで、時代の最先端の)存在であるかのようなイメージをふりまいている。黒服の若者たちは、こうした魔法(呪い)から、自分たちの身体を解き放ちたいという思いをこめて、建物を打ち壊しているようだった。デモでは、このような若者の抗議スタイルもデモ表現の一つとして受け入れられ、デモを大いにもりあげていた。デモが終わったのは、午後4時頃。終結地点となった広場では、NGO団体が集会とコンサートを開催していた。当初、集会は予定どおりに行われていた。ところが突然、武装した(大勢の)警官隊が広場をとりかこみ、参加者を(威圧し)挑発しはじめた。当然ながらデモ隊はそれに応答し、警官隊と小競り合いをはじめた。そして、車両が一台炎上すると、警察はそれに乗じて放水車を導入し、参加者に放水をおこなってきた。しかも、警官隊は広場のなかにまで侵入し、集会の中断を告げてきた。これにたいして、黒服の若者を中心とする大勢のひとびとが(訓練を受けた重装備の)警官隊を押しもどそうと素手で立ち向かった。黒服の若者も多くは文字通りの非暴力であった。彼らは両手をあげ、「出て行け」と叫びながら、警官隊と対峙して、進入を防ごうとした。だが、平和的な抗議者にさえ、警官は容赦なく目つぶしスプレーをあびせかけ、放水を行ってきた。警官の横暴にたいして、投石で応じる黒服の若者もいた。(武器や凶器を何ももたない)彼らは周辺の道路を打ち砕き、そのブロックを警官隊に投げつけた。投石といっても、それはあくまで警官のふるう暴力に対しての怒りであり、そんな暴力には従わないという(つまり、警察が法や公共の道徳に反する命令や行動を行った場合、市民は自らの良心にしたがって、それに不服従と不同意を表明する権利と義務がある「市民的不服従」の)意思表現のための象徴的行動である。警官を倒そうとしていたわけではない。(マスコミが暴動と報じたこの騒ぎの後)、警官に二名の負傷者がでたことを理由に、多くの(マス)メディアが抗議者の暴力を批判したが、本当のところ、それが投石によるものなのか、その真偽すら実はわかっていない。人びとに抗議されるG8サミットとは、いったい何なのだろうか?なぜこれほどまでに世界中の人びとから嫌われているのだろうか。それは「テロ対策」と称して(「テロの可能性」を口実にして)、160億円もの資金を投入しなくてはならないほどのものだろうか。いま、日本でもサミットに関する情報がひろく流通している。だがその論調は「かわいそうな第三世界の人びとを主要国首脳が救おうとしている」(とか、「地球温暖化を防止するための枠組みづくりを進めている」とか、なんとか)というものだ。アフリカの貧困問題、第三世界の債務問題、サミットの主要テーマであるこれらの問題にしても、(もともとは)それがサミットを媒介として(サミットが原因で)意図的に作り上げられたものであることや、サミット参加国自身も(貧富の格差をうみ、テロをうみ、不安定雇用をうみ、社会不安をおこし、人心を荒廃させ、環境を破壊し、戦争をやめられない)新自由主義政策(ネオリベラリズム)をとることに合意し、その合意のもとで国内の貧困問題(ワーキングプア、ニート、ホームレス)をつくりあげてきたという事実は無視されつづけている。サミットで暴動を起こす若者たちが「何も関係ないのに、ただ暴れたいだけの不良」であるとみなされるのも、そうした無理解(と無関心とマスコミによる情報誘導)によるものだ。本当のところ、サミットで抗議行動に参加していた欧米(や第三世界の)の若者たちには、日本で貧困問題(や就職問題や鬱)に苦しむ若者たちと共通の境遇と感情がある。きっと第三世界の人びとにだって共通するものがあるだろう。サミット体制のもとで流通している(テレビやマスコミが流す)情報の(せまい)枠組みをこえて、(地球全体にひろがっている苦しみや悩みや不遇を同じように抱えている)世界の、日本の「群集」(マルチチュード)に共感するための想像力を働かせること。(それがたいせつだ。)」

栗原康「G8サミット体制とはなにか」より
(*ただし( )内の文は、この本に共感したイルコモンズによる勝手な加筆。よって、文責はイルコモンズにあるので、もしまちがっていたら、おしえてほしい)。

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受講者以外の方にもPDFにして差し上げたいのですが、明日の講義に間に合うように印刷・製本するのが精一杯で、とてもそこまで手がまわりせん。ほかにもまだ、いろんな資料や文章やグラフィックデザインや編集映像ができているのですが、ぜんぜんアップできません。いっそのこと「どなたか期間限定でイルコモンズの制作アシスタントになっていただけませんか?」とお願いしたいくらいです(無理か)。
by illcommonz | 2008-06-25 02:16
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