![]() はじめに、ふた、ありき
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▼[写真] ポリスに逮捕される クラウンアーミーの図 (撮影:志葉玲 2008年7月5日 午後3時45分ごろ 札幌にて) 「クラウン・アーミーは、 二十一世紀のトリックスターである」 (イルコモンズ) 2008年7月5日のイルコモンズ逮捕後、本人(作家)不在のなかで起きた、全国各地・世界各地のさまざまな「社会彫刻」的な出来事(海外ではすでに「J12」と呼ばれている)、ならびに、さまざまな言説、評論、分析、伝説、伝承、風聞を収集して民族学的にデータベース化する作業を進めています。とりあえず、釈放後にネットで読んで、いちばん面白く、また、ためになった記事は以下のとおり(文化人類学者と美術批評家に特にお勧め)。 ▼「イルコモンズ逮捕はBANKSYが予言していたのだ!!」 [図版] BANKSY 初期作品集 「Existencilism」 より 「塀の中の3人にまだまだ日常が帰ってくることは無い。早く彼らにも彼らの居場所でのびのびして欲しいのだけれど・・・もしくは、逮捕という非日常を日常として生きる強さをすでに身に付けていてくれればいいのだけれど・・・・ 今日は、山口昌男の「道化的世界」を読んだ。下記の部分を読んでいると、クラウンアーミーの格好のまま、つまり、迷彩柄の戦闘服にオレンジ色のアフロヘアー、赤色のでかッ鼻という道化姿でサウンドカーから引き摺り下ろされて逮捕されていったイルコモンズさんのことを考えずにはいられなかった。以下、引用 「時間、空間を越えた秩序の相対性の証しとしての道化は、それ故、絶えず、秩序の内側に眠りこける常人を挑発し、彼の住む世界が相対的なものに過ぎないことを思い知らせることによって、秩序に対する醒めた信頼を取り戻させるよう期待される。勿論、秩序が弾力を失うときに、それは先ず道化的な時間、空間、行為を敵視して、これらを絶滅しようとはかる。中世期末期の西欧に起こったことがそれであった。この時、カーニバル的表現が、革命的エネルギーに転化されることは歴史の示すところである。」「道化と詩的言語」より なぜ、太鼓を打ち鳴らし、騒ぐというささいな祝祭が公安禁止条例によって禁止されなければならないのだろうか?なぜサウンドデモのDJが二人も逮捕されないといけないのだろうか?それらは狂気だろうか?テロだろうか?危険なのだろうか?本当に?わざわざ逮捕までして取り締まるようなものだろうか?本当に権力が強固であり、どっしりと居座っているのならば、それは寛容な王のようにあらゆる批判とあざ笑い、嘲笑を繰り返す道化を放置するだろう。大衆や民衆の不満のガス抜きのために。そころがそんなささいな存在さえ、ガス抜きという権力の相補的な対立項さえ排除するような権力は、もはや弾力性を失い、硬直化したシステムに他ならない。遊びの無いシステムは力をうまく逃したり、泳がせることなく、ぽっきりと折れるだろう。 PS 写真はBANKSYの写真集より。イルコモンズさんは確実にこれを狙っていた!?と、逮捕前のクラウンアーミールックのイルコモンズさんの背中。ちなみに、バンクシーの絵の横には「You told that joke twice」の言葉が・・・」(「マウスパッドの上の戦争。」より) ![]() ![]() ---------------------------------------------------- はたしてイルコモンズが、それを狙っていたかどうかはともかくも(もちろんバンクシーのこのグラフィティのことはよーく知ってましたが、逮捕に関しては「逮捕なしですめばありがたい」というバートルビー的な構えでした。これについては「VOL」第3号に掲載された「〈帝国〉のアートと新たな反資本主義の表現者たち」を参照してください)、今回のことはバンクシーだけでなく、イルコモンズ本人もどこかで予感していた節があります。 ![]() 図版は、イルコモンズが「イルコモンズの回顧と展望(仮称)」展(2008年 大阪市立近代美術館)のために制作した洞爺湖サミットの過剰警備体勢に警鐘をうながす警告チラシ。さらに短編映画「ちびこもんず、洞爺湖へ行く」(2007年 YouTube 未公開)と、サミット直前にYouTubeにアップされた「NO! G8 ACTION JAPAN 2008 予告篇」の最後のシークエンスにくりかえし現れる「サミット会場をはるか遠くに望む遠景ショット」と、そこに流れる「メランコリックなサウンドトラック」には「たぶん洞爺湖には行けないだろう」というイルコモンズの予感が反復強迫的に現れています。 ![]() ▼「NO! G8 ACTION JAPAN 2008 予告篇」 http://jp.youtube.com/watch?v=lzttX3HoxXQ また、イルコモンズの「分身」である「ちびこもんず(だけ)が洞爺湖に行く」という仮想現実的ストーリー展開にもそれが象徴的に現れており、かくしてポストモダンな郵便配達は二度ベルを鳴らし、同じ冗談は二度繰り返される。ただし一度目は喜劇として、そして二度目は街頭劇としていずれもストリートで反復されるのだ、と、ジジェクならたぶんそう分析するでしょう(しないか)。 [再再掲載]▼スーザン・ジョージ 「彼(女)らではなく、 私たちこそが未来なのです」 (「徹底批判G8サミット」より) (表紙はクラウン・アーミー) 「〇〇八年、日本がホストを務める番がまわってきました。この完全に非合法な組織を、日本の人々と世界中に対して正当化しようとするでしょう。私は、これまでG8参加国の市民社会の多くがそうであったように、日本の人々がG8を拒否する表明をするだろうと信じています。しかしながら、これは人の生死に関わる問題ですが、抗議行動は非暴力でやるべきです。さもなければ、マスメディアは勝手気ままに、私たちには何の思想もなく、何の提案もないと報道するでしょう。洞爺湖サミットについて、私が思いつく、ただひとつのよいことは、ジョージ・ブッシュの最後のG8だ、ということくらいです。私はこの4年間、「笑顔で抗議する」ことを提案してきました。私は数千もの人々と一緒に座り込み、ブッシュ、メンケル、福田康夫など、G8リーダーたちの巨大なパペットをパレードさせ、彼(女)らの行く手を阻み、「笑いのめす」という抗議行動を構想してきました。これは二〇〇七年のドイツでのハイリンゲンダム・サミットで、クラウン・アーミーたちによる素晴らしい戦術のひとつにないました。クラウン・アーミーたちは見事に非暴力行動を実践したのです。そして、私たちはそれをもう一度、やることができるはずです。大事なことは、メディアの注目をひきつけ、私たちの考えを伝えることであり、私たちが、ユーモアのセンスを持った真面目で建設的な人間であることを世界に示すことです。私たちは、彼(女)らではなく、「私たちこそが未来である」ということ、彼(女) ではなく、私たちこそが、貧困な世界が本当に求めているものを知っていること、彼(女)らではなく、私たちこそが建設的な変革がどうようなものであるかを知っているということを示すために、象徴的な方法を見つけ出す必要があります。そのために、共に活動を続けていきましょう。」 [参考1]▼「トリックスター」 (出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』) 「トリックスター (Trickster) とは、神話や物語の中で、神や自然界の秩序を破り、物語を引っかき回すいたずら好きとして描かれる人物のこと。シェークスピアの喜劇『夏の夜の夢』に登場する妖精パックなどが有名。ギリシア神話のオデュッセウスや北欧神話のロキもこの性格をもつ。ポール・ラディンがインディアン民話の研究から命名した類型であり、のちカール・グスタフ・ユングの『元型論』で「トリックスター元型」として人間の超個人的性格類型として取り上げられたことでも知られる。 時には悪意を持って行動するが、結局は良い結果になることが多い。引っかき回す行動としては、盗みやいたずらというパターンが多い。抜け目ないキャラクターとして描かれることもあれば、愚か者として描かれる場合もあり、時には両方の性格を併せ持つ者もある。文化的に重要な役割を果たしているとき(例えば、火を盗むなど)や神聖な役割をしているときでさえ、おどけてみせたりもする。文化的英雄であると同時に悪しき破壊者であり、あるいは賢者であり悪者など、法や秩序からみれば一貫性を欠いた矛盾する役割が属性である。コヨーテやワタリガラスが関連づけられている。多くの文化では、トリックスターと文化的英雄は結びつけられることが多い。例えば、ギリシア神話のプロメテウスは、人間に火を与えるために神の元から火を盗んだが、彼はトリックスターとしての性格よりも文化的英雄としての方が有名である。例えば、北アメリカインディアンの伝承では、コヨーテの精霊が神(星や太陽のこともある)から火を盗むが、こちらは文化的英雄としてよりも、トリックスターとしての性格の方が大きく現れている。これは、他の話との関連のためで、プロメテウスは知性のある巨人であったが、コヨーテは単なるいたずら者と見なされることが多い事に関係している。」 [参考2] ▼イルコモンズ「G8は非合法である」
by illcommonz
| 2008-08-01 01:22
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