
「普段の生活になるべく早く復帰する」
(「アクティヴィスト・トラウマ・ガイド」より)
ために、グラフィック・デザインの
仕事を再開した。
まだ途中までだが、いまつくってるのは、
ユネスコ主催の「環境と教育」をめぐる
国際会議のための広報ポスター。
写真は、妹が兄から河の渡り方を
教わっているところ。といっても兄は、
後ろで見守っているだけだが、でも、
それが大切なのだ。そして、河の
渡り方を覚えることは、この土地で
生きてゆくのに欠かせない環境教育
である。

一見すると、足の運びや手の動きが
いかにも不安定そうにみえるが、
グリッドをあててみると、ちゃんと
バランスがとれてることがわかる。
兄も然るべき場所に立っている。
「子どもたちの生は小さいけれど、
どの生も完璧な弧を描いている」
というラリー・クラークの言葉を
思い出した。こういう目に見えない
バランスや配置を見つけだし、
それを然るべき場所に配置する、
それがデザインという作業の
たのしみであり、よろこびだ。
バランスを失くしかけたときには特にそう思う。
このポスターができあがる頃には普段の生活に復帰してると思う。