
二木:デモが終わった後の札幌中央署前の抗議行動は一〇〇人くらいの規模で圧巻だった。
松本:大騒ぎだったよね。デモが終わってすぐにデモコースをそのまま戻って、札幌中央署まで向かった。二回デモをやった感じですよ。わけのわからない不良外人とか活動家とか、いろんなわけのわからない連中がウワーって警察署の前に集まったから。
小田:窓越しに外で騒いでるのはちゃんと聞こえてましたよ。
松本:夜中にはホー娘。たちとホロ酔いで行って「仲間を返せ!」だの「面会させろ!」だの大騒ぎした。
(「対談 イルコモンズ×松本哉(仮題)」「オルタ」より)
[撮影] はらだゆきこさん
とはいえ、聞くと見るのとでは大チガイ。実際のところ、札幌中央署前での
真夜中の抗議行動は、昼間の想像力をはるかに超える、まるで夢のような、、、
そう、それは、

「それは
7月5日、真夜中の
SPR(札幌)CITY・・・」

「ノビノビ
ノリノリ
じゃない
じゃない?
もしかして
真夏だし、
真夏の夜の夢?
パックのような・・・
イタズラ ズッキー の
チアフル アイドル」

「OK、OK、
いつだって
準備は
できてるのよ!
プロだもんだっ!」

「さ、真夜中の
グルービー
クルージング
祈りの儀式・・・
チアダンス!!!
ちょ~ちょ~
ちょ~ちょ~
良い感じっ!!☆」
[出演] ホー娘。
[撮影] つんこ♀
▼「チア・アイ・ドル!」(「WE ARE THE ホー娘。です☆」より)
http://gomigirl.exblog.jp/9479176/

これはアセンズの森ではなく、
札幌中央警察署前である。
これはとりちがえられた
子どもをめぐるオペラではなく、
つかまえられた道化師の
釈放を求めるイタズラ好きの
妖精バックとオーベロンの
路上のボードヴィルショーである。
まさに「真夏の夜の、夢のような抗議行動」である。
砂川闘争以来のお色気作戦である。
権力を笑いのめす拝みたおし芝居である。
アクティヴィズムとアイドル文化の融合である。
見よ、呆れよ、そして、可笑しければ笑いたまえ、
「美術手帖」よ、これが、いまのニッポンの、
「芸術と政治を結びつけている歴史的な転換点」だ。