(承前)・・・と万全の寝不足の体勢でのぞんだのだが、
「ミッシング箱庭」の演奏がはじまった瞬間、思わず、
スイッチが入ってしまい、とても昼寝してるどころでは
なかった。その衝撃はあの場にいた人なら分かるだろう。
あちこちから「すごい!」の声があがり、笑いが起きた。
人類がはじめてファズやフランジャーを発明した時、
おそらくそこで鳴っていたであろうような驚きと発見に
満ちた音がした。ギターにエフェクターをかける時、
今では誰も選ばないような音が選びとられていた。
電気にふれることをおぼえたどうぶつのにおいがした。
「うぉ、うぉ、うぉぉぉ!」と、そのどうぶつはよろこんだ。
「もっとしゅぎょうして、つよくなって、あそびにゆこう」と
そのどうぶつは考えた。そのどうぶつがニンゲンである。
しかしそのどうぶつが手にいれたものは、とてもあぶないものだった。裸でふれると、
アタマとカラダがシビれた。「うぉ、うぉ、うぉぉぉ!」(雨がふる日はとくにビリビリした)。
なので、そのどうぶつはまた考えて、それを鎖につないで連れて歩くことにした...
(以下省略)
世の中のコードからはずれた野生人が奏でる「野良の音楽」を久しぶりに聞いた。
「いまや未来になりつつある原点」へのミッシング・リンクをみつけたような気がした。